今年(2019年)9月8日の日曜日、あの首都圏を縦断し、多大な被害をもたらした大型台風が今にも都心を襲おうとしていた寸前の午後5時半、僕と妻は高橋幸宏ライヴ開演を会場の指定の席で「ちゃんと始まるだろうか」とハラハラと心配しながら待っておりました。
まだ、幸い雨や風はほとんど無く、不思議にも平穏な状態で、逆に「嵐の前の静けさ」ともいうべき不気味な状態でした。
しかし、そんなことは全く関知せず、といった感じで、さりげなくメンバーが現れ、最後に颯爽とした感じで、いつものダンディーな服に身を包み、高橋幸宏氏が現れました。
高橋幸宏氏をご存じない方は退屈な話となってしまうと思いますが、1978年から1983年まで日本、いや世界中を熱狂させ一時代を築いたYMO「イエロー・マジック・オーケストラ」のメンバーです。その後もソロ活動やバンドを結成して、常に第一線で活躍していました。
僕は中学生の時からのYMOの大ファンで、高橋幸宏氏のライヴは7年ぶり2回目なのですが、不思議なもので、実際に高橋幸宏氏を前にしてみると、まるで夢の中にいるようで、まるで現実感がありませんでした。
今回のライヴは、高橋幸宏氏のソロ作品と、ムーンライダーズの鈴木慶一氏と不定期にコンビを組んで活動している「THE BEATNIKS(ザ・ビートニクス)」の曲からが主で、YMOや細野晴臣氏とのスケッチ・ショウ・PUPAなどの曲は演奏しませんでした。
結構、大ファンの僕でも知らない曲が多かったのですが、それでも大満足でした。
なぜなら、鈴木慶一氏が特別ゲストで出演して、あの「THE BEATNIKS(ザ・ビートニクス)」の曲が聴けたからです。
特に、僕も妻も大好きな、ちょっとダークで不穏なムードの80年代初頭のニューウェーブ・テクノ・ロックを思わせる「Ark Diamant」は絶対聴きたかったです。
途中で鈴木慶一氏が登場し、鈴木慶一氏特有なお茶目なボケと高橋幸宏氏のツッコミのトークで笑わせた後、「Now And Then」を演奏し、その後高橋幸宏氏が後方に下がってドラムの前に座り、鈴木慶一氏がステージ中央に立った時、「ん?もしや?」と思いました。それと同時に、あの不穏なイントロが始まり、「Ark Diamant」が始まったではないですか!
恥ずかしながら、心臓が止まりそうになり、不覚にも感動で涙が出そうになりました。
その後、昨年リリースした最新作からの「シェー・シェー・シェー・DA・DA・DA・Yeah・Yeah・Yeah・Ya・Ya・Ya」を会場みんなで、赤塚不二夫の漫画「おそ松くん」に出てくる「イヤミ」の「シェー!」のポーズをしながら聴き、もう一つ聴きたかった曲「ちょっとツラインダ」もしっかり聴くことが出来ました。
「今日は曲数を多めにやっていきたいので、なるべくMCは省いて一所懸命演奏に集中します」と冒頭に言っていたのですが、やはり台風がすぐ近くまでやってきて、首都圏の電車が軒並み本数を減らして、午後10時で運転打ち切りにするという情報が高橋幸宏氏の耳にも入ったのでしょう。
アンコール含め20曲を演奏して、「これ以上は引っ張ることは出来ないので」と一言残して、ライヴは終了しました。
でも、とっても大満足でした。
最後はグッズ売り場で、高橋幸宏氏の90年代の廃盤になったCD2枚を入手し、最近話題になっている写真家の三浦憲治氏の「40ymo 1979-2019」の写真集を消費税分値引きの特価で購入することが出来ました。
またまた、長文になってしまいましたが、次回は細野晴臣氏の50周年記念のライブチケットも入手しましたので、またレポートいたします!!