東京都立小金井公園にある江戸東京たてもの園に行ってきました。
失われつつある情緒・風情のある建物を移築・保存するために作られたのが、この施設だそうです。
緑あふれる、とても広い公園内に、実に30軒もの展示建物があり、東エリア・中央エリア・西エリアと3つに分かれています。
前にも2回ほど行ったことがありますが、1日で全部はとても見ることが出来ないので、この日は西エリアの10軒ほどだけ見ることにしました。
10軒と言っても、結構見ごたえがあります。
その中で、特に印象に残った建物をご紹介します。
前川國男氏は、日本近代建築に貢献した高名な建築家ですが、よくもまあ、あの「欲しがりません!勝つまでは」「贅沢は敵だ!」の戦時中の時代に、このようなオシャレで芸術的な建物を建てられたものだなあと感心しました。
しかも、当時の品川区上大崎に建てられていたそうで、よくもまあ、戦災に遭わなかったなあと、2度感心しました。
当時も今もそうですが、珍しい中2階の造りです。
当時のキッチンです。
レトロですが、何故かオシャレ。
出来た料理を小窓から出すという、機能的な造りになっています。
こちらは寝室。
建築家らしく、収納が機能的で充実しています。
さりげなく、物が置けるように工夫した窓際の棚も、なかなか考えられていて、素晴らしいです。
次は、かの三井財閥の三井八郎右衞門邸(みついはちろうえもんてい)。
戦後の1952年(昭和27)に港区西麻布で建てられたそうですが、客間と食堂部分は、1897年(明治30)ころに京都で作られ、戦後西麻布に移築されたそうです。
素晴らしい客間でした。
ここで、当時の政府の要人や、取引先の大企業の幹部らと、歓談をしていたのでしょうか。
奥の方に蔵があり、こちらは1874年(明治7)の建築当初の土蔵に復元したそうで、ここには興味深い屏風絵や長持ちなどが、収められていました。
明治当初の三井家当主に嫁いだ奥方は、福井松平家の出身とのことで、黒の漆塗りで、松平家の家紋がデザインされています。
こちらは、当主ご主人の個人の部屋です。
奥に専用の洗面所が付いているようで、たたみ八畳ほどの広さでした。
他の建物に、当時の欧米人の住んでいた部屋も展示されていましたが、それに比べると格段に狭いと感じました。
当時は、三井家ほどの大財閥の当主でも、個人の部屋はそんなに広くないのですね。
それとも、日本人の伝統・習性でしょうか。
こちらは、奥方が趣味の手芸などで過ごした小部屋です。
手前に八畳の部屋がありますが、やっぱり狭いですね。
こちらは、デ・ラランデ邸で、1910年(明治43)年ころ、ドイツ人建築家ゲオルグ・デ・ラランデ氏により3階建てとして大規模に増築されたそうです。
いかにも欧米人の家という感じです。
中の部屋を拝見しましたが、先程の三井八郎右衞門邸より、とても広い印象を受けました。
この建物の1階は、食事ができるカフェ「武蔵野茶房」があり、ここで食事しました。
メチャクチャ混んでいて、30人以上待ちでしたが、采配が巧みで接客も素晴らしい、案内係の女性ウェイトレスさんのおかげで、それほど不快感もなく待つことが出来ました。
カレーライスを食べましたが、本当に絶品でした!
コロッケも揚げたてといった感じで、ホクホクしていました。
1190円(税込)でした。
デザートの黒蜜きなこアイスと、いちごアイスも本当に真面目に作っており、ほっぺたが痛くなるほど、絶品でした!
ずいぶんと長くなってしまいました。
次回は日を改めて、中央エリアと東エリアに行ってみたいと思います。
また、ご報告させていただきます。
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