「細野観光」に続き、細野さんの50周年記念企画のドキュメンタリー映画である「NO SMOKING」を観に行きました。
まだ、11月29日まで上映中であり、ネタバレになってしまうと困るので、僕が感じたことを簡潔に述べたいと思います。
この映画を観れば、細野さんの50年間に亘る音楽活動のアウトラインはほぼ理解できると思います。
この映画のいたるところに、いろいろな時期の映像や写真が散りばめられています。
①大滝詠一との出会い
大学時代、仲の良い音楽仲間の友人から、「スゴいマニアックな男がいるから紹介するよ」と言われ、細野さんの自宅に連れてきたことがありました。
その男こそ、「大瀧詠一」
細野さんは、どの程度マニアックな男なのか、試してみたいと考え、自身が当時とても好きだったが、日本ではまず手に入ることが出来なかったヤング・ブラッズの「Get Together」というシングルレコード盤を、ステレオのレコードプレーヤーのカバーの上にポーンと何気なく置いておいたそうです。
そのビージーズのような格好をした目付きの鋭い男は、細野さんの部屋へ入るなり、細野さんの顔を見もせずに、そのレコード盤を指差して、「おっ!!get together !」と驚嘆の声を上げたそうです。
それを見た細野さんの眼はギラリと光り、「この男、出来るな!」と思い、いつか一緒に何かやることになるかもしれない、と思ったそうです。
何か同じものを抱え、通じ合うものを持っている者同士というのは、こういう出逢いをするものなのでしょうね。
②細野さんはYMO結成後、こう思ったそうです。
YMOは企画だし、うまく行かなかったら、辞めるしかない。でも、やりだしたら、やっぱり「遊び」なんですよね。そしたら、上手くいく方向に、どんどん、サイコロが転がっていった。
この言葉に感銘を受けました。
「仕事」だと思ったら、深刻になって行き詰まって上手く行かないけれど、「遊び」だと思えば、楽しくなって創意工夫が生まれ、良い方向に進んでいくものなのですね。
③細野さんは、最近再度夢中になっている「ブギウギ」について、こう語っています。
「ブギウギっていうスタイルがあって、オリジナルの40年代のレコーディングを聴くと、いつ聴いても心が躍るんですよ。ワクワクする。今のバンドには何かが欠けている。~ キーワードは「自由」ですね。
「自由に触れると、心が躍る」
うーん、とても哲学的な、50年間やってきた細野さんだから、出てきた言葉ですが、これはすべての人にも当てはまる言葉ではないでしょうか。
誰か他人にコントロールされ、管理された状態では、いくらガンバっても、真の意味で心は躍らない。
「自由」に触れて、自分が自分の人生をコントロールできているから、「心が躍る」のだと。
細野さんは、訴えかけているではないかと感じました。