1月25日(土)にさいたまスーパーアリーナで行われた、QUEEN+ADAM LAMBERT(クイーン+アダム・ランバート)のライヴに行ってきました。
クイーンは、最近爆発的大ヒットを記録した「ボヘミアン・ラプソディ」の映画の影響でご存知のかたも多いと思いますが、70年代から80年代にかけて活躍した、常識を超越した超絶素晴らしいロックバンドで、1991年にヴォーカルでフロントマンのフレディ・マーキュリーが他界してからも、その人気は衰えることはありませんでした。
そんなクイーンが、アダム・ランバートという若い素晴らしいヴォーカルを携えて、活動再開していたことは知っていたのですが、「どうせフレディにはかなうわけねえよ」と全く興味がありませんでした。
しかし、今回のライヴで演奏を聴き、この目でパフォーマンスを観て、考えが180度変わりました。
現在37歳のこの若いアーティストは素晴らしいのひと言に尽きました。
まず、その桁外れな声域の広い、飛び抜けた声に圧倒されました。
とにかくヴィブラートが効いていて、どこまでも伸びやかで力強く、聴いていて、とても心地よいのです。
これは、フレディにも通ずるものがありました。
ドラムのロジャー・テイラーも言っていましたが、アダムは単なるフレディ・マーキュリーのモノマネではなく、 独自のスゴさを持っていながら、フレディと共通するユーモアのセンスと、驚異的な声域を持っている、と。
これは、クイーンには必須のものであると。
アダムが歌う、「Don't Stop Me Now」「Who Wants To Live Forever」「I Was Born To Love You」はとても素晴らしく、心に響きました。
しかし、御年70歳になるロジャー・テイラーも本当にスゴい人だと感心しました。ドラムを叩くだけでも大変だと思いますが、ロジャー自身が作った「I`m In Love With My Car」、デヴィッド・ボウイとのデュエット曲「Under Pressure」では、なんとドラムを叩きながら、あの高らかな美声で歌う姿には脱帽しました。元聖歌隊にいたので、高音は抜群ですが、70歳になっても若い時と変わらない歌声でした。「Under Pressure」では、デヴィッド・ボウイを彷彿とさせる素晴らしい歌唱で、アダムと見事な掛け合いをしていました。
ブライアン・メイも御年72歳になるのですが、その素晴らしいギタープレイは全く衰えておらず、「Who Wants To Live Forever」の素晴らしいアダムの歌唱の後で、素晴らしいギター・ソロを長時間に渡り、披露しました。天文学者らしく、自身が隕石の上に立って、様々な星が背景に浮かび上がるヴィジュアルは、なかなか素晴らしかったです。
しかし、なんと言っても、心を打ったのは、フレディの「登場」でした。
ブライアンがステージの前の方に出て、何曲かアコースティック・ギターで弾き語りをするのですが、その2曲目の「Love Of My Life」で、途中からモニターのブライアンの隣にフレディが現れ、フレディの歌声が流れてくるのです。
本当にフレディが現れたのかと錯覚するほど、リアルな演出でした。
また、アンコールの1曲目にも、モニターにフレディが現れ、「Live Aid」でもおなじみの「アー・オー!」の掛け声が再現されました。
このライヴの良いところは、「QUEEN+ADAM LAMBERT」として、新しいQUEENを打ち出しながらも、ところどころにフレディを登場させて、決してお涙ちょうだいの感傷に浸るという演出ではない、今のQUEENを見守っているフレディという雰囲気を醸し出しているところでしょう。
アンコール含め、全33曲、2時間半近くに渡る、超充実したライヴでした。
このブログを書いている午後6時過ぎ現在、2回目のさいたまスーパーアリーナ公演が行われている最中で、また新たな感動を観客に与えていることでしょう。
この後、28日に大阪、30日に名古屋でライヴが行われる予定です。
ブライアンもロジャーも70代に突入し、今度いつ日本に来るかわからない状況です。
都合のつく方はぜひ行ってみてください。
どうしても行けない方は、2014年夏に行われたライヴ映像が唯一発売されていますので、観てみてください。
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