前回の続きです。
前回のブログで、中原先生から意外な真相を聞かされて、驚くと同時に、晴れて手術をしてもらえる約束をすることが出来たことをお話しました。
「やりましょう!」
という先生の言葉をいただき、待合室で再び待つことになり、やがて受付から呼ばれて、手術の日程を聞かされました。
1ヶ月ちょっと後の、5月10日に右眼の手術、その後様子を見て、7月10日に左眼の手術をするということになりました。
その前の4月24日に検査と診察に行く必要があるとのことで、再び手術前の精密な検査を行うことになりました。
奥の方の検査室に入り、両眼の正面からの撮影、断面からの撮影を行いました。
後で先生に聞きましたが、これらの機械は日本ではなく、アメリカから取り寄せたもので、最新式の機械だそうです。
そして、中原先生の診察を受け、手術までのスケジュールの説明を受けました。
手術の1週間前あたりから、目薬を毎日さして、飲み薬を毎日飲み始め、3日前あたりから手術前用の目薬を1日5回さすように言われました。
そして、手術当日は朝一番の8時半に来るように言われました。
「お互いに頑張りましょう!」中原先生はニコッと笑い、元気付けてくれました。
手術をしてもらうのはとてもうれしいことでしたが、やはり眼の手術というのは初めての経験であり、場所がとにかく「眼」なので、どのように手術するのだろうか?痛くはないのだろうか?眼を動かしたりしたらどうしよう?などと、次々と不安なことが頭に浮かんできました。
手術の日が近づくごとに、だんだんと緊張感が増してきて、本当は手術してもらうことが出来て、大いに喜ぶべきことなのに、だんだんと怖くなって、逃げ出したい気持ちになってきました。
「これで、長らく僕を悩ませてきた飛蚊症とオサラバできるんだ!良かったじゃないか!」
憂鬱になってきた自分自身を、僕は何度もこう言い聞かせて、奮い立たせていました。
そうしているうちに、とうとう手術当日の朝がやってきました。
妻に付き添われ、緊張しながら電車に乗り、深作眼科にやってきました。
その日は深作眼科では手術する曜日と決まっている水曜日で、僕と同じように手術する患者さんが大勢来ているようで、かなりの混雑でした。
朝一番の8時半に来たものの、ずっと待ち続けることになり、診察の番になったら、呼んでもらうことにして、僕たちは1階の「レストラン伽羅(がら)」で食事をして待つことにしました。
このレストランは深作眼科が経営している、とてもオシャレで雰囲気の良いレストランです。
天井が高く、落ち着いた雰囲気で、深作先生が描いた素晴らしい絵画がところどころに飾ってあります。
基本的には洋食ですが、サンドイッチ・おにぎり・パスタ・カレーなど様々なメニューを揃えており、その盛り付け方は、フランス料理のコースメニューを思わせるノーブルな雰囲気です。
レストランで食事をしながら、待ち続け、結局手術前の診察を受けることが出来たのは、お昼の12時過ぎを回っていました。
緊張した面持ちで、診察室に入った僕を、中原先生は改めて眼を顕微鏡で見た後、励ましてくれました。
「○○さん、大丈夫ですよ。お年を召した方も大勢白内障なんかで手術を受けてますけど、みんな何も問題ないですよ。普通にしてもらえれば、全然大丈夫ですから。」
「あのお・・・手術中に目を動かしたりしたら、マズいですよね。まばたきも出来ないし、どうしたらよろしいでしょうか・・・」
「大丈夫ですよ!ちゃんと麻酔しますから、心配無いですって!」
「それじゃあ、後ほどお会いしましょう!」
中原先生は、憂鬱そうな表情の僕を、さらっとこう言って、見送ってくれました。
そして、診察室を出て、エレベーターに乗り、手術室のある6階へ上っていきました。
(次回に続く)
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