前回のブログで、左眼の中に新たに出現した浮遊物「フライ」を除去するための手術の模様をお話しました。
中原先生に三度目の手術を行っていただき、僕をさんざん悩ませた左眼の浮遊物「フライ」は、無事除去されました。
「よし、捕らえたぞ!よしよし!」
「取れた!取れた!○○さん!取れましたよ!」
という、中原先生の歓喜の声を、手術中に聞きながら、僕はやっと苦難から解放された喜びに浸っていました。
ただ、左眼はブラックアウトして、眼帯もしていて、見えない状態だったため、フライが除去された後の左眼の状態は、まだ実感していませんでした。
翌朝(8月1日)、起床後に目薬をさすため、眼帯を外した時に、初めて左眼の状態が確認できました。
あのエイのようにひらひらと浮遊していた「フライ」は、もうどこにも見当たりませんでした。
しかし、また別のものが現れていました。
それは、直径2㎝はあるように見える、ドーナツ状の円でした。
真っ黒く塗りつぶされたような円で、主に左眼の下部に常駐しているのですが、普通の「飛蚊」と同じように、眼の動きに合わせて動いていました。
「マジかよ・・何だこれは?」
僕はまた新たに出現した浮遊物にたじろぎ、動揺を隠せませんでした。
しかし、午後になると、だんだん「すっと」消えることが多くなってきました。自然に左横に移動して行って消えたり、左上の方に吸い込まれるようにして消えたりするようになりました。
かと思うと、突然上から下へ落ちてくる形で現れ、しばらく左眼の下部に常駐したりします。このように突然現れる時は、眼を上に向けた時によく起こっていました。
この「ドーナツ」は、じっと見つめるとサイズが小さくなり、見つめるのをやめるとサイズが大きくなる傾向がありました。
もう一つ現れる症状としては、「半楕円形の黒い浮遊物?」が左眼の上部に現れていました。これは右眼の手術後にも現れたのですが、その時はしばらくすると消えていきました。
横が約4cm位、縦が約2㎝位のサイズのように見え、先ほどの「ドーナツ」ほど真っ黒ではありませんが、黒っぽく、上を向いた時に必ず出てきました。
また、左眼を開けていると、まるでトゲに刺されたようなチクチクとした痛みを感じていました。
目尻に近い方により多くの痛みを感じ、常に痛くて涙が止まらない状況でした。
目を閉じていると、楽になるのですが、相変わらず涙は止まらず、溜まり続けていく状況でした。
そのうえ、眼球の奥のズキズキ痛む感じもありました。
ただ、これはバファリンを飲んだら、だいぶ和らいできました。
このような状況下で、手術が終わった後とはいえ、結構不安でした。
しかし、一番気になっていた「ドーナツ」は、深夜未明には出てこなくなり、消滅したようでした。
トゲに刺されたようなチクチクした痛みは、深夜の午前3時ころまで続いていて、結構ひどかったのですが、朝起きたころにはだいぶ落ち着いてきていました。
目の見え方としては、ボヤケがあり、少し霧がかかったような感じで、近くも遠くも見えにくい感じです。
翌日(8月2日)の昼頃に、中原先生の診察を受けました。
中原先生は僕の左眼を、いつものように細かく顕微鏡で見て確認し、僕の言うことをすべて聞いた後、意外にもそれほど重くとらえる様子はなく、こう言いました。
「ドーナツ状の黒い円は、おそらくエアー(空気)だと思います。2・3日経てば消えてしまうものですが、今現在出てこないのであれば、もう大丈夫でしょう。半楕円形状のものも、右眼の時と同じように、しばらく経てば消えていくでしょう。チクチクした痛みは、縫合したからだと思います。縫った糸はもう切ってしまいましょう。」
すると、先生は医療用のハサミを取り出し、眼をしっかりつぶるように言って、目尻の部分にあった糸をぷつんと切断しました。
そして、こう言いました。
「○○さん、これで大丈夫です。洗顔・洗髪は4日後の土曜日くらいからOKです。本当に良かったですね。」
先生は、手を差し出し、硬い握手をしてくれました。
それは、先生が手術は成功したという揺るぎない確信を示したと同時に、よくぞここまで耐えて頑張ったという僕への労いの気持ちが現れていました。
(次回に続く)
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