肥満と薄毛からの脱出!「背水の陣」に直面した中年男の日記

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坂本龍一・山下達郎の奇跡のコラボ作品・発見!!(その2)

1975年に発表された、「坂本龍一」と「山下達郎」の、奇跡のコラボ作品を発見したことを前回お話しました。

 

pilgrim1969.hatenablog.jp

 

【1】実際に聴いてみた印象

肝心の実際に聴いてみた印象ですが、最初はちょっと変わった「童謡」のような感じで、「コレ、ナニ?」という、ちょっと驚きを隠せない印象でした。

 

おそらく当時小学生から中学生くらいの子供達で構成された、少年少女合唱団「みずうみ」が歌っているのですが、大人顔負けの、やけに上手い歌唱力で、とても個性的な歌詞を、個性的な歌声で歌うので、正直最初は「ビビり」ます。

 

作曲・編曲は、坂本龍一氏と山下達郎氏というだけあって、当時としてはとても斬新なシティポップスのエッセンスが散りばめられており、演奏はとても都会的で、洗練されており、今聴いても、全く古さを感じさせません。

 

特に、山下達郎氏が在籍していた「シュガーベイブ」のカラーがとても強く感じられました。

 

僕が特に気に入っているのは、CDの10曲目に収録されている「火の子供達」という曲で、山下達郎氏と大貫妙子氏(当時のシュガーベイブのメンバー)がコーラスで参加しています。

 

サビの部分で、バックで流れる2人の「ワァーッ」と歌うコーラスが、何とも言えない存在感(ほとんどシュガーベイブの曲のよう)を醸し出していて、素晴らしいです。

 

【2】制作過程

この作品に関しては、歌詞はすべて、企画した及川恒平(おいかわこうへい)氏が、アイヌ文化の伝承を目的として、作詞しました。

 

それを坂本龍一氏に渡して、曲を付けてもらって、演奏のアレンジをしてもらいました。

 

さらに、山下達郎氏が歌とコーラスのアレンジをしていく、という流れだったそうです。

 

このアルバムの中の2曲(10曲目「火の子供達」・11曲目「丹頂鶴」)に、山下達郎氏と大貫妙子氏がコーラスに参加していて、当時のシュガーベイブの雰囲気が味わえます。

 

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「海や山の神様たちーここでも今でもない話」のライナーノーツ とても興味深いエピソードが散りばめられています。

 

【3】山下達郎氏の制作への関わりについて

山下達郎氏によると、「少年少女合唱団」=「子供」が歌うということで、坂本龍一氏から、コーラスのスコアを書いてほしいという依頼があり、譜面を書いたのだそうです。

 

アルバムのクレジットには、「編曲:坂本龍一山下達郎」となっていますが、実際に山下達郎氏に確認したところ、山下達郎氏が実際に関わったのは、ヴォーカル・コーラス関係のみということでした。

 

しかし、僕はこれはちょっと怪しいのではないか、と思っています。

なぜなら、演奏のアレンジが、先ほどお話したように、「山下達郎」すなわち当時の「シュガーベイブ」の色合いがとても強く感じられたからです。

 

坂本龍一氏ももちろん当時のシティポップスには関わっていましたが、ちょっと色合いが違うのです。

 

【4】坂本龍一氏と山下達郎氏との制作上の「エピソード」

先ほどお話したように、山下達郎氏は坂本龍一氏からコーラスのスコアを書いてほしいと依頼され、譜面を書きました。

 

その時のエピソードがなかなか興味深く、面白かったです。

 

依頼された際に、坂本龍一氏から渡されたのは、デモテープと、歌詞が書かれた紙だけでした。

山下達郎氏によると、普通は曲の譜面やコード表を渡すのが常識なのだそうです。

なので、テープを聴きながら、譜面に落としていく「採譜」の作業の方が、コーラスを

考えて制作するよりも、はるかに時間を取られて、とても苦心したそうです。

 

2007年のCD再発売の取材時に、言っていたそうですが、その時の山下達郎氏の実際の表情や語り口を見てみたいものです(笑)

 

【5】当時の録音現場の「エピソード」

実際の収録に関しては、及川恒平氏坂本龍一氏・山下達郎氏と「少年少女合唱団みずうみ」の子供たちが、数日間集まって、歌の練習と、カラオケ録りを行ったそうです。

 

ヴォーカル&コーラスは、山下達郎氏が直接子供たちに、歌唱指導したそうです。

あの山下達郎氏が、どんな風に、子供たちを指導したのか、なかなか興味深いです。

 

子供たちからは、坂本龍一氏は、「ピアノのうまいお兄さん」、山下達郎氏は、「歌のうまいお兄さん」と呼ばれていたそうです。

なかなか慕われていたのではないでしょうか。

この子供たちも、おそらく今では50代後半から60代に差し掛かっているのではないかと思います。

あれから、それぞれに大活躍をして、日本を代表する音楽家となった今の2人を、どんな風に見ているのか、興味深いです。

 

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今では廃盤ですが、当時のLPレコードの装丁を再現しています。

 

【6】参加したミュージシャン

これが一番皆様にとって、興味深いことだと思います。

山下達郎氏への取材によると、当時坂本龍一氏が関わっていた「りりィ」というアーティストのバックバンド「バイバイ・セッション・バンド」のメンバーだそうですが、クレジットはありません。

 

そこで、山下達郎氏や伊藤銀次氏に実際の音を聴いてもらって、当時の記憶も頼りに、なんとか特定することが出来ました。

以下の通りです。

ドラム:平野肇

ベース:平野融

ギター:伊藤銀次

キーボード:坂本龍一

パーカッション:斎藤ノブ

 

ドラムとベースの平野兄弟は、当時すでに活躍していた荒井由実氏のバックバンド「ダディー・オー」(細野晴臣氏が名付け親)の元メンバーだそうで、斎藤ノブ氏は、細野晴臣氏率いる「ディン・パン・アレー」の活動にも参加し、荒井由実氏などのレコーディングやライブにも参加していたそうです。

 

その後の音楽界のことを考えると、ミュージシャンどうしのつながりの深さを感じさせられます。

 

【7】現在の関係者たちのこのアルバムへの見解

僕はぜひ、現在の坂本龍一氏や山下達郎氏が、このアルバムのことをどう思っているのか、本人たちの口から聞いてみたいと思っています。

 

そこで、山下達郎氏のラジオ番組「山下達郎楽天カード サンデー・ソングブック」(毎週日曜日の14時から放送)に、このアルバムのことを、約1か月前から何度かハガキで投稿してみました。

でも、残念ながら、未だにハガキは読まれておりません。

 

坂本龍一氏のラジオ番組「RADIO SAKAMOTO」(2か月おきの第一週の日曜日24時から放送)にも投稿してみようと思います。

 

読まれるまで、ハガキを出し続けて、読まれたら、また皆様に報告しようと思います。

 

YouTubeもやっておりますので、ぜひ下記のリンクからご覧になってください。

 

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ご興味のある方は、下記からどうぞ!

 

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