前回に引き続き、今回のビートルズの「Get Back」を観た感想を、ラジオ番組「桑田佳祐のやさしい夜遊び」での桑田佳祐氏の感想を元にお伝えしたいと思います。
↓ 前回のブログです。
前回1月8日放送に引き続き、15日もビートルズ特集をやっていました。
ただ、今回は「Get Back」を観た感想というよりは、ビートルズ自体の桑田さんなりの知っているエピソードを話していたので、ちょっと観点がずれることをあらかじめお伝えしておきます。
1⃣ポール vs. ジョン
この「Get Back」を観る限り、どう見てもポールの方がとてもしっかりしていて、リーダーの風格があり、ジョンはヨーコをそばに置いて、どこかしら「心ここにあらず」のような雰囲気があります。
もともとビートルズはジョンが作ったバンドであり、リーダーであり、後から出逢ったポールの腕を見込んで、ビートルズに引き入れた経緯があります。
そして、バンド初期は、レノン=マッカートニーで曲を作っていましたが、リーダーシップを執っていたのは、あくまでもジョンでした。
桑田さんいわく、「Revolver(リボルバー)」の頃から、ポールとジョンの対決姿勢が出てきたのではないか、とのことです。
ポールは、「Eleanor Rigby(エリナー・リグビー)」や「Here, There And Everywhere(ヒア・ゼア・アンド・エブリウェア)」など、名曲を作るようになり、ジョンはそれに対抗して、エレクトリックでサイケデリックな曲で対抗することになります。ギターの逆回転を駆使した「I'm Only Sleeping(アイム・オンリースリーピング)」などは典型ですが、なかなか素晴らしい曲です。
2⃣「ロックの時代」とビートルズ
60年代末のこの頃は、「ロックの時代」に突入し、ジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンのクリーム、サンタナなど、卓越した素晴らしい技術を持ったアーティストが続々と出てきました。
そんな中で、実はギターをきちんと弾けるのは、ポールだけだと桑田さんは言っていました。
実は、ジョンもジョージもそれほどギターはうまくはなかったのだそうです。
ポールは、ギターもうまく、ベースもうまく、ドラムやピアノも出来る、オールマイティなアーティストです。
「Revolver(リボルバー)」の最初の曲である「Taxman(タックスマン)」のチョーキングを駆使したすごいリードギターのソロは、ジョージは弾けなかったそうで、見かねたポールが、「時間が無いから、俺がやるよ」と言って、ポールが弾いたそうです。
何でもできる天才ポールに対して、時代の波に乗り切れないジョンとジョージ、と桑田さんは言っていましたが、この見解は初めて聞きました。
やはり、その時代を知る桑田さんならではのプロの見解なんですね・・・
ちなみに、リンゴのドラムはとてもうまいと賞賛していました。
3⃣解釈が違うポールのギター奏法
ポールは、Em(イーマイナー)やAm(エーマイナー)などのギターのローコードの指の押さえ方が普通と違うのだそうです。
薬指が上で、中指が下になっていて、指の並びが違うとのことです。
ギタリストならではの桑田さんの見解ですね。
ポールには、メソッド(方法)は関係なく、楽器に対する解釈は違うと言っていました。
4⃣ビートルズとサザンオールスターズのメンバー間パワーバランス
前回のブログでもお話しましたが、ライブをやるかやらないかということで、メンバーやスタッフで揉めていた時、それまでずっと黙っていたリンゴが突然ポツリと「俺やりたい」とひとことつぶやいたのがきっかけで、ルーフトップコンサートが実現したという話をしました。
ポールとジョンがリーダー覇権争いをし、最年少のジョージがそれに割って入り、最年長のリンゴはずっと黙っていて無口で厳かな感じであるのが、ビートルズですが、サザンオールスターズも実は似たようなメンバー間パワーバランスがあるのだそうです。
リンゴと同じような立ち位置のメンバーは、実は同じドラムの松田弘氏なのだそうです。
桑田さんがポールのように何かを提案し、関口氏は「俺はやりたくないんだよね・・」などと難色を示すと、松田弘氏が突然ポツリと「俺、やりたいのよお」などとつぶやくのだそうです。
すると、原由子さんが「その通りよね!ヒロシ君!」と同調して、サザンオールスターズが動くという構図なのだそうです。
以上、ちょっと「Get Back」からは外れた内容となってしまいました。
この「Get Back」は、アメリカではBlu-ray・DVD化されることが決定したそうです。
また、再度じっくりと観て、気が付いたことをご報告したいと思います。
※YouTubeもやっておりますので、ぜひ下記のリンクからご覧になってください。
下記のDisney+に入会すると、「Get Back」を観ることが出来ます。
radiko(ラジコ)で、今回の特集の番組は、1月22日(土)まで聴けます。