肥満と薄毛からの脱出!「背水の陣」に直面した中年男の日記

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樺沢紫苑「もしも社畜ゾンビが「アウトプット大全」を読んだら」を読んで

精神科医で作家の樺沢紫苑先生の新刊「もしも社畜ゾンビが「アウトプット大全」を読んだら」を読みましたので、ご紹介いたします。


この本は2018年8月に出版されました「アウトプット大全」をマンガ化したものです。

マンガの部分と樺沢先生による解説部分に分かれております。
マンガの部分は、主人公の外山健が、社内新規プロジェクトに挑戦するのですが、真面目な性格ゆえに行き詰まってしまい、「社畜ゾンビ」化してしまった状態から始まります。

そこから主人公が自己成長をしていく話なのですが、サラリーマンを経験した方なら、誰にでも当てはまることで、とても共感する内容です。

さらにマンガですから、とても読みやすいです。

 

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「もしも社畜ゾンビが「アウトプット大全を読んだら」の表紙
漫画家の齋藤邦雄氏のマンガがとても親しみやすいです。

 

1⃣ マンガ部分について
この本のマンガ部分について、僕が印象に残ったことをご紹介します。


① 全てを書き出してみる

主人公の健は「社畜ゾンビ」の状態で疲弊しきっていました。

そんな健は会社のトイレで謎の清掃員「七(なな)さん」に出会います。

そして、一度紙に、頭の中にあることを何でもいいから全て殴り書きしてみることを勧められます。

家に帰った後、健は早速やってみます。

すると、みるみるうちに思考が整理され、自分を客観視できる状態になったことがわかります。

この「書き出す」ということは、頭の中の全てを書き出すことで「脳の棚卸し」になるのだそうです。

 

② 一人で全てを抱え込まない

やがて社畜ゾンビだった健の生活は良い方向へ回転し始めます。

そしてだんだんと今まで自分がやってきた方法が間違っていたことに気づいていきます。

それは「一人で全てを抱え込まない」ことです。

真面目な人にありがちなのですが(僕もそうです)、他人に任せることに引け目を感じてしまい、全てを自分でやろうとして行き詰まってしまう傾向にあります。

しかし、その分野で得意な人の知識を共有して、みんなで助け合えば、スムーズに事が運び、時間の節約にもなります。

 

③ 優先順位をつける

もう一つ真面目な人にありがちなこととして、全てを抱え込んで、あれもこれもと手をつけて、混乱してしまい、何も進まなくなることです。

人間の脳はマルチタスクには向いていないと言われています。

「優先順位」をつけて「本当にやりたいこと」から始めていくことが大切なのだそうです。

そして、一つのことに専念して、ひとつずつやっていくことが大切です。

健は、同僚から飲みに誘われますが、「ごめん、行かない」と企画書の作成に専念するため、はっきりと断っています。

 

④ 告白と心の距離

最も印象に残ったのは、健と営業部の大川との公園でのシーンです。

大川は「やりたい事は無い」と告白します。

それに対して健は自分がゾンビ人間で、何のために生きているのかわからないと涙を流しながら告白します。

これは大川が自分の本心を打ち明けたことによって、二人の心の距離が縮まったことを表しています。

そして、このように自分の辛さや苦しさを言葉で表現する事はデトックスになり、ストレス発散効果があるのだそうです。

そして、そんな健に大川はこう言います。

「何とか人間ぽく見せているけど、自分がゾンビって気がついていない人もたくさんいると思います」

外側から見ていると分かりませんが、結構「ゾンビ化」している人はたくさんいるのではないでしょうか。

 

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サラリーマンを経験した人なら、誰でもが自分にも思い当たる節があると思える、とても共感できる内容です。

 

2⃣ 解説部分について

後半の樺沢先生の開設部分について、僕の印象に残ったことをご紹介します。


①ぼーっとする
健と大川の公園でのシーンで、大川がこう言います。

「こうやって公園でぼーっとしていると、生きてるなぁって思いません?」

この「ぼーっとする」事はよくないこととして思われている節がありますが、実は脳の働きを活性化するのだそうです。
一日中スマホなどで絶えずインプットしていくと、脳疲労を起こします。

ぼーっとすることで脳が休まり、デフォルトモードネットワークつまりバックグラウンドで脳が活動することによって、考えがまとまり解決法が導き出されるのです。
「創造性の4B」という言葉を聞いたことがあるかと思います。

Bathroom (入浴中・トイレ) 

Bus (バス・移動中)

Bed (寝る前や起きた時) 

Bar (酒を飲んでリラックスしている時)

など、リラックスしている時に良いアイデアが思いついたり、ひらめいたりするのだそうです。

 

② 説明する
人に説明するときに、ついつい長々と話してしまい、結局何を伝えたかったのか分からなくなってしまうことが多いことと思います。

樺沢先生によると、最初に「ポイント」「結論」を話し、シンプルにまとめることが重要なのだそうです。

三波が真壁にプレゼンするときに、「成果を高めるには三つの要素が必要」と言ってから、「心、システム、スキル」と具体的に説明しています。

そして、リアルにイメージしてもらうためには、「例」(自分の実例や体験談)、「権威」(ハーバード大学の研究によると)、「数値」(「大多数の賛成」より「89%の賛成」)という この三つを使うとより伝わりやすくなるのだそうです。

 

③ 決断する
樺沢先生はこう言います。
何か決断するときに迷ったときは、まずワクワクする方を選ぶのだそうです。

そして、最初に思いついた方を優先することが重要だそうです。

というのは、後から出てきた考えは、たいていは打算的、常識的、保守的で、つまらない考えであることが多いからだそうです。

 

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樺沢紫苑先生の出版記念講演会に申し込んだら、こんなトートバッグが本と一緒に送られてきました。意外と丈夫でなかなかグッドです!

 

3⃣ まとめ
マンガ部分には、実は「アウトプット大全」の本は一切登場して来ません。

でも内容は「アウトプット大全」のエッセンスが満載で、とてもよく理解することができます。

そしてこのマンガは単なる自己成長の物語ではなく、感動してふと涙ぐんでしまうような意表を突くところもありました。

ネタバレになってしまいますが、主人公の健をいつも助けてくれる「七さん」の正体と背景がポイントです。
ぜひ読みやすいので、この本を気軽に手に取って読んでいただき、ゆくゆくは「アウトプット大全」も読んでいただければ幸いです。

 

YouTubeもやっていますので、ぜひ下記のリンクからご覧になってください。

 

youtu.be

 

この本を読んで、「アウトプット大全」に興味を持った方は、下記のブログもどうぞ!