前回の続きです。
口内炎が沈静化したので安心したのもつかの間、4月第一週の土曜日の朝、目覚めると、ものすごく焼けつくようなのどの痛みがあり、明らかに風邪の初期症状と思われました。
「今日、鎌倉行けるだろうか・・・」
3月初旬から心身共に疲弊して、体調不良が続き、鎌倉の建長寺半僧坊に行って、お祓いではありませんが、厄払いをするため、正式参拝に行こうと計画していました。
僕としては、ぜひとも早急にこの悪い流れを断ち切りたいため、体調不良ではありますが、行きたい気持ちを抑えることは難しい状況でした。
「ええい!きちんと用心していけば、なんとかなるだろう!」
心配する妻をも説得し、防菌用のきちんとしたマスクをするなど、重装備を施して、行くことにしました。
当日は気持ちの良い快晴でしたが、急に気温が上がり、汗ばむような陽気でした。
建長寺に入ると、桜が満開で、とても綺麗で心和む光景でした。
建長寺の境内を通って、奥にある山の頂上に、半僧坊はあります。
結構傾斜が急な階段を登っていかなければならず、結構心拍数が上がり、汗が吹き出し、「はあーはあーぜえーぜえー」言うような状況でした。
頂上まで登り、半僧坊に到着するころには、大汗をかいて疲れ切ってしまい、目の前の絶景は目に入りませんでした。
大汗をかきながら、本堂の奥に進み、ご本尊の前に座りました。
住職のお経や小気味良い太鼓のリズムを聴いているうちに、気分は徐々に良くなっていき、正式参拝の威力を感じました。
焼香を取って、お祈りをし、「あー、これは体調も良くなり、運気の流れも変わるかな?」と思わせるような清々しさでした。
新しいお札をいただいて、しばし絶景を眺めた後、半僧坊のさらに上の方へ登っていきました。
半僧坊の上方はハイキングコースにつながっていて、細い階段がさらに上の方へ続いていました。
登っていく過程で見る、緑と桜に覆われた鎌倉の山々の光景、そして少し遠方に控える相模湾の光景は、まさしく絶景でした。
頂上にたどり着くと、古くからこの場所に鎮座していたと思われる祠があり、厳かにお祈りをし、頂上の絶景をしばらく楽しみました。
心なしか、体調も良くなった感じがあり、あれほど痛かったのどの痛みも気にしなくなっていました。
「良かった。正式参拝のおかげで、ずっと続いていた心身の不調も良くなり、運気も良い方向に向かっていくかな?」
下山し、建長寺のご本尊にもご挨拶をし、バスに乗って、鎌倉駅へ向かいました。
鎌倉駅に着き、小町通り入口付近にある、行きつけのしらす丼のお店「五八」で、いつもの「生しらす&釜揚げしらすの二色丼」を食べました。
ここのしらす丼は本当に美味しいです。
しかし、違和感を感じたのは、この時からでした。
しらす丼を食べながら、「どうも寒いなあ」と感じ始めていました。
僕はただでさえ、暑がりの汗っかきで、建長寺では大汗をかきながら階段を登っていきました。
その僕が「寒い」と感じることは、かなり異常なことです。
しかし、その後も寒さは収まることは無く、普段寒がりの妻は普通にしているのに、僕はジージャンのボタンを全部閉めて、ガタガタ震えている始末でした。
翌日の日曜日は、家で安静にしていて、体調は安定していました。
そして、出勤の月曜日の朝。
目が覚めると、冷たい雨が降っていて、温度は10度を切っていました。
「スゴイ寒いなあ」と思って、妻に声をかけようとしました。
しかし、声が出ませんでした。
(次回に続く)