肥満と薄毛からの脱出!「背水の陣」に直面した中年男の日記

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心房細動手術のため入院 その6 入院費に対するモヤモヤ

手術の次の日、一日まったりしている中、入院費の概算請求額の紙がテーブルに置いてありました。

前回の続きです。

pilgrim1969.hatenablog.jp

僕が少し眠っているところに、会計係の人か看護師さんが、置いていったんだろうと思われましたが、高額療養費の限度額適用認定証を提出して、安心しきっていた僕にとっては、ちょっとビックリした金額でした。

「・・・19万円か・・・」

 

ここで、高額療養費制度について、簡単に説明しますが、ざっとこのような感じです。

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。 

この場合、入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。

年齢や所得によって、区分が分かれています。

詳しくは下記のリンクからどうぞ。

https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf

 

全国健康保険協会からもらった説明書にも詳しく書いてあり、僕の場合は、70歳未満で「区分イ」に該当し、計算式は次のようになります。

167,400円+(医療費-558,000円)×1% 

そして、その横に「多数該当」として、「93,000円」と書いてあります。

「93,000円だよな・・・」

 

僕は何か納得がいかない気持ちで、夕食を食べました。

夕食のメニューは、サバの煮つけと、茄子となめこの煮物、小豆といんげんを和えた惣菜など、典型的な和食でした。

その後看護師さんが来て、点滴針を抜いてくれたので、久しぶりに腕を自由に動かすことが出来て、爽快な気分になりました。

「まあ、あれこれ悩んでもしょうがない。明日会計の時に聞いてみればいいや。」

僕はこう思い直して、シャワーを浴びに行って、爽快になり、病室に戻って、軽く退院の荷造りをした後、読書をして、過ごしました。

 

話は変わりますが、僕が入院していた病棟は、循環器内科で、主に心臓を患っている人が入院しています。

その多くが重病で、中高年の患者さんが多いです。

僕の病室には、他に3人の男性患者さんがいて、やはり3人とも重病でした。

 

一人は、60代と思われる男性患者さんで、心臓の中の血管が重度に詰まっていて、極端に血流が悪く、そのせいか両脚の血流もかなり悪くて、真っ黒になっていました。

最初は皮膚の疾患だと思って、皮膚科に通院し、塗り薬を塗っていたようですが、全く改善せず、この病院にたどり着いて、心臓疾患が原因だとわかったそうです。

担当医が度々やってきて、この患者さんと話しているのを聞いていると、かなり深刻な状態だということがすぐわかりました。

「○○さん、検査の結果ですが、正直申し上げますと、かなり悪いです。深刻な状態と言わざるを得ません。」

「心臓の中の血管や動脈はかなりの閉塞状態で、どうしようもなく詰まっており、かろうじて血がチョロチョロと流れているような状態です。」

「心臓はヒドいですが、もう一つ、脚の状態も本当にヒドい状態です。」

「両足共に、指が真っ黒になっていて、壊死している状態です。これは緊急に処置しなければなりません。」

「・・・誠に申し上げにくいのですが・・・両足共に、全部の指を切断する必要があり、ご了承いただく必要があります・・・」

担当医の先生は、本当に言いにくいことをやっとの思いで言ったような感じでしたが、その患者さんは、いきなりこのようなことを言われて、相当ショックだったようで、しばらく無言になり、やがて「・・・そうですか・・・」とつぶやくように言いました。

 

もう一人は、心筋梗塞を3ヶ月に一回起こして、度々入院して、担当医の先生からも「いつ死ぬかわからない」と言われていた50代の男性患者さん。

この患者さんは、相当車が好きなカー・マニアで、高級車を3台所有しているようでしたが、担当医から、いつ心臓発作を起こすかわからず、危険だからもう運転はあきらめて、やめてください、と言われていました。

本人も納得したようで、「わかりました。残念ですが、運転はもうやめます。車も全部売却します。」と落胆して、言っていました。

 

そして、もう一人は、心臓だけでなく、肺もかなり患っており、寝ている時はいつも「ヒューヒュー!」と喘息のように喘いでいたり、ひどく咳き込んだりしていました。50歳前後のようでしたが、衰弱しているので、手術が出来るかどうか、いつも心配そうに担当医の先生が看護師さんと話していました。

 

深夜になると、苦しみのあまり、大声で奇声を発する患者さんが何人かいて、これはかなり恐ろしく感じました。

 

また、他フロアのコンビニに行くと、酸素ボンベと点滴棒を引きづりながら(おそらく肺ガンと思われる)、黒ずんだ顔をした患者さんが買い物をしているのを何人か見ました。

 

こうして入院してみると、ふだん普通に健康に生活していると、全く遭遇する事の無い、苦しみと恐怖の世界を感じることになり、こういう世界は健康な時には全く関わることは無いが、確実に存在することに気づかされました。

 

無事に手術が成功して、明日退院できることに感謝し、入院費のことでモヤモヤしていた自分を恥じたのでした。

 

午後10時の消灯時間をしばらく過ぎた後、眠りにつきました。

 

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