肥満と薄毛からの脱出!「背水の陣」に直面した中年男の日記

肥満と薄毛の話題だけではなく、趣味の読書・音楽・映画などのご紹介もしますよ。

SKYE(鈴木茂・小原礼・林立夫・松任谷正隆) ビルボードライブ東京_20240804 その3

日本音楽界のレジェンドである鈴木茂氏・小原礼氏・林立夫氏・松任谷正隆氏が結成した「SKYE」が六本木の東京ミッドタウンにある「ビルボードライブ東京」で行った2024年8月4日の夜の部(18:30開演)を観に行ってきました。

前回からの続きです。

 

pilgrim1969.hatenablog.jp

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10曲目は、小原礼氏作詞作曲&ボーカルの「ウッドストック」。

せつないメロディラインに、ミドルテンポのロック調のアレンジが気持ちいい曲です。

ウッドストック」とは、1969年の夏、LOVE & PEACEのフラワームーブメント華やかなりし時代にニューヨーク州で開かれた大規模な野外コンサートで、30組以上のアーティストが参加し、40万人以上の観衆を集めたそうで、ジミ・ヘンドリックスも参加したロック史上における代表的な野外フェスティバルです。

「この曲を聞くと、なんかちょっと重い感じを受けて、暗い感じがするんだよな・・・」と松任谷正隆氏が言ったのを、小原礼氏は意外に思ったらしく、こう返しました。

「いやあ、この曲はオレと当時の彼女と二人であのウッドストックに行ったと想定して、メチャクチャ明るく書いたつもりなんだけどなあ…」

間奏の鈴木茂氏のギター・ソロがとても素晴らしかったです。

 

 

次の11曲目も、小原礼氏作詞作曲&ボーカルの「Smiling Faces」。

これはグループサウンズを意識して書いた曲だそうで、鈴木茂氏のギター・ソロも超グループサウンズ風で、とても良かったです。

 

曲が終わると、松任谷正隆氏のMCとなりました。

そして、こんなことを言い出しました。

「オレって、実は『破滅願望』があるんだよなあ…」

「今のオレ、これからどんどんダメになりたい、って思ってるんだよ」

「次に歌うオレの作った曲だけど、自分がやったことないことを書いてるんだよ」

「酒飲んでタバコ吸ってグデングデンになるなんて、実はやったことないんだよな…」

そこへ、林立夫氏がこう切り出しました。

「そうなの?マンタ(松任谷正隆氏)、じゃあこれから不良になってみたら?」

松任谷正隆氏にこんなマゾヒステッィクな破滅願望があるなんて意外でしたが、確かに松任谷正隆氏は家も裕福でいわゆるおぼっちゃんで、幼少の頃から優等生しかりとしていたようです。

常にオシャレでスマートで持ち物にも異常にこだわる性格で、いつもビシッとカッコつけていたようでした。

ユーミンのプロデューサーとして君臨し、有能で威圧感のあるディレクターとして、ユーミンやサポート・メンバーやスタッフたちに厳しく振舞う姿は、映像で観たことがありました。

いわゆる有能で口うるさく、「イヤな」ヤツという雰囲気でしたが、今回松任谷正隆氏の口からこんな言葉を聞いて、人間というものの深層心理というのはわからないものだなあ、と感心してしまいました。

 

 

そして、12曲目として、「ダメな男:第一弾」の曲である「Night Crawler」(松任谷正隆氏作詞作曲ボーカル)が演奏されました。

(「Night Crawler」とは、「夜にほっつき歩く人」という意味だと言っていました)

歌詞は、育ちが良くうぶで女々しい中年男がカッコつけて付き合っていたオンナを振ってしまい、後から激しく後悔して、大酒を飲んで千鳥足で酒場や歓楽街をほっつき歩きながらも、そのオンナのことを思い出しているという、なんとも女々しくカッコ悪い男の歌ですが、松任谷正隆氏にはとても合っていて、歌もとても上手かったです。

サポート・メンバーの小林香織氏のサックスも妙に哀愁を帯びていてなかなか良く、鈴木茂氏のギター・ソロも慰めるような穏やかな感じでした。

曲が終わり、松任谷正隆氏が、「まあ、どっちの『ダメさ』が、よりダメか?」などとつぶやくように言っていました。

13曲目の小原礼氏の「The Light In the Dark」が終わり、メンバーは会場に手を振って、そのままステージを去って行きました。

(次回に続く)