肥満と薄毛からの脱出!「背水の陣」に直面した中年男の日記

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アウトプット大全 / 樺沢紫苑

精神科医で作家の樺沢紫苑先生の「アウトプット大全」を読みましたので、感想を述べさせていただきます。

「アウトプット」という言葉は、「インプット」という言葉の対義語ですが、「インプット」というと、いわゆる「読書」・「講演を聞く」など自分自身が吸収する「入力」という意味で、イメージがつきやすいと思いますが、「アウトプット」はあまり聞き慣れない言葉だと思います。

「アウトプット」とは、その反対の「出力」という意味で、自分が吸収したもの・蓄積した知識や経験を外へ出力することです。代表的なのが、人に「話す」「伝える」「教える」や「書く」ことなどです。

そして、樺沢先生は、いくらインプットしても、アウトプットしなければ、その知識や経験は本当の意味で自分自身に吸収されないし、自己成長しないと言い切っています。

読書しても、そのままではいずれ忘れてしまうのは、そのためだということです。

私も、手前味噌ながら、一応読書家ではありますが、これまで一所懸命本を読み続けてきましたが、やっぱり時間が経つに連れて、記憶が薄れてしまい、一年もすると、「あれ?どういう内容だっけ?」ということがほとんどでした。

パソコンやスマホで読んだ記事もしかりです。面白い記事やためになった記事も一週間もすれば忘れてしまいます。

樺沢先生は、この本の中で、「アウトプット」こそが最も大切で、「アウトプット」が人生を変える、ということを切実に訴えています。

80種類ものアウトプットの手法を紹介し、わかりやすく解説している、おそらく日本で初めての「アウトプット」の決定版の本だと思います。

 

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私なりに気づいたことを以下に述べさせていただきます。

 

1.伝える

仕事でもプライベートでも、相手に悪いニュースや改善してほしいことを伝えるのは難しいものです。一歩伝え方を間違えると相手を怒らせたり、機嫌を損ねたりして、人間関係を悪化させることが多いです。

樺沢先生は、こういう場合の伝え方の基本として、先に相手を褒めるなどポジティブな事を話し、その後に悪いニュースや改善してほしいことを伝えることが鉄則だと話しております。

相手に話すときに、ついそのままストレートに話してしまったり、「君は遅刻が多いな!せっかく営業成績が上がってきたのに台無しじゃないか!」などとネガティブに言ってしまいがちです。

先にネガティブなことを話すと、相手はそこで精神的にショックを受けてしまい、その後にどんなに褒めてポジティブなことを言ったとしても、上の空で聞こえていないことが多いそうです。

気をつけたいと思います。

 

2.断る

日本人であれば、ほとんどの方が当てはまると思いますが、相手の気分を害したくないから断るのが苦手な人や、断るくらいなら自分が犠牲になっても引き受けてしまう人は多いと思います。

しかし、樺沢先生はこう言い切ります。

「「断らない人」は、自分が本当にやりたいことに対してエネルギーと時間を振り向けることができなくなっていきます。休息や睡眠、家族と過ごす時間も削られる。つまり、「断らない人」は、確実に「不幸な人生」を歩むのです。死ぬほど忙しくて睡眠がとれなくなったり、健康を害したりして初めて「断る」わけですが、それだったら最初から断るべきなのです。」

私自身、断らないでワーカホリックになり、末期ガンや心臓疾患などを患ったので、この言葉はとてもよく理解でき、心に染み渡ります。

また、個人でビジネスをやっている人は、仕事を断ると仕事が減る、次の仕事が来なくなる」と思う人が多いですが、それも間違いで、「仕事を断るほど、仕事が増える」のが、実情だそうです。「引き受けられないほど仕事が殺到している」という印象を受けるからです。

要は、断らないで何でもかんでも引き受けていると、都合の良い便利屋だと思われて、サラリーマンでも自営業者でも、安くこき使われて、最後には健康を害してしまうということですね。

樺沢先生が「断らない」と起きることと、「断る」メリットを分類して表にしていました。とても参考になるので、ぜひご覧になってください。

 

3.落書きをする

「落書き」というのは、ネガティブな印象が多いですが、これが記憶を定着させるのに、とても効果的だということです。なぜならば、落書きをすることにより、喜怒哀楽の感情を刺激するので、記憶に残りやすいからだそうです。

ヘンリー・フォードからスティーブ・ジョブズ、そして太宰治まで、落書きをすることで、創造活動を行っていたそうです。

 

4.ぼーっとする

これも意外ですが、「ぼーっとする」ことはとても大事なことだそうです。

ぼーっとしている状態というのは、何もしていない無駄な時間だと思われますが、実は脳内では何もしていないわけではなく、むしろ一所懸命考えているときよりも活発に動いているそうなのです。

いわゆる「デフォルトモード・ネットワーク」という状態で、自分の身に起こりそうな事柄をシミュレーションしていたり、自分の経験や記憶を整理したり、分析したりする重要な状態なのだそうです。

「ひらめき」が多い状態も、このような「ぼーっとしている」状態だそうです。

だから、「ぼーっとしている」時間がもったいないと、そういう時にスマホやテレビやゲームをする人が多いですが、脳を絶えず使い続けることは、このような「デフォルトモード・ネットワーク」を妨害し、脳を疲れさせ、脳の働きを退化させる原因となるのだそうです。

 

5.続ける

続けることは重要です。これが出来なければ、仕事もプライベートも大したことはできなくなってしまいます。

樺沢先生は、「続ける」ためには、ドーパミンを出すようなワクワクするモチベーションを高めることが必要だと訴えています。

そのための5つの極意というものがあり、それは、

①「今日やる」ことだけを考える

②楽しむ

③大きな目標を細分化して、「ちょい難」にすること

④毎日記録をつける

⑤結果が出たらご褒美をあげる

だそうです。

確かに楽しくなければ、続けられません。

「イヤだなー」とストレスがあることは、いつの間にかやめています。

ドーパミン」というモチベーションを上げる「ガソリン」をいかに継続的に補給し続けられるか、それが続けられる鍵だということです。

 

6.決断する

多くの人は、十分考えてから決めた結論の方が、直感ですぐに決めた結論より、優れていると思いがちですが、意外と直感で最初に決めた判断というのは、かなり正しいのだそうです。チェスのプレーヤーを対象に行った実験では、最初に考えた手と、30分間考えて思いついた手を比べてみたそうですが、86%は同じだったそうです。

また、迷った場合、「ワクワクする方を選ぶ」方が良いそうです。なぜならば、「ワクワクする」ということは、自分の潜在意識が真に望んでいて、ドーパミンが出ており、成功する確率が高いからだそうです。

また、「最初に思いついたほうを優先する」ということにも驚かされました。

大抵の場合、最初に思いついたほうは自分の直感や本能に根ざしており、いわば「心の声」であり、後から出てくる考えは、「打算」や「常識」から出てくるものだそうです。

どちらの声に従って生きたほうが楽しいか・・・

先生は問いかけますが、私自身の人生を振り返っても自明の理でした。

 

7.時間管理する

情報発信など、アウトプットが人生を変えるのに、とても良いとわかっていても、なかなか時間が取れないという人は多いと思います。

そこで、樺沢先生はこう提唱します。

①制限時間は15分と決める

アウトプットするために、1時間も2時間も取ろうとするから、続かない。

制限時間を15分と決めれば、緊張感が出てくるので、集中力も高まり、良い文章も書けるということです。

②スキマ時間と、スマホを活用する

平日家に帰ってからやろうとしても、仕事で疲れているし、難しいと思います。

そこで、朝夕の通勤時間、昼休み、移動時間など細切れのまとまった時間を利用することがオススメだそうです。しかも、スマホはいつでもどこでも使える入力ツールなので、最適なのだそうです。

それでも難しい場合は、インプット量を減らすことが重要だと先生は言っています。

毎月3冊読書していても、全くアウトプットしていなかったら意味がない、たった1冊でもきちんとアウトプットしていれば、そちらのほうが何倍も良いそうです。

1冊読んだら、1冊をしっかりとアウトプットし、それまでは新しい本を読み始めるべきではない。

私もついついアウトプットしていないのに、興味の赴くままに次の本を読み始めてしまいますが、反省したいと思います。

 

8.まとめ

この本には、最後に「アウトプット力を高める7つのトレーニング法」という章があります。

情報発信を始めて、それで生計を立てていきたいという方のために、基本的なことが書かれていて、とても参考になりました。

最初は日記を書くこと、毎日の自分の健康のことについて記録すること、読書感想文を書くことから始まって、情報発信のメリットや素晴らしさを訴え、その最初の段階としてのFacebookなどのSNSの活用、そしてブログを始めるための心構え、ブログでアクセスを増やし、プロブロガーになるためには自分が楽しめる趣味のことを書くことが効果的であるなど、これから情報発信を始めてプロブロガーを目指す方には、とても参考になる内容です。

この本は、テーマごとに見開き2ページになっていて、図解形式で、可愛らしいイラストも挿入されており、とても読みやすいです。

さすが、40万部を突破したベストセラーだと思いました。(2019年7月7日現在)

これから、情報発信を目指す方はぜひ読んでみてください。

‪#アウトプット大全チャレンジ‬