「ターミネーター ニュー・フェイト」
今年(2019年)11月8日に公開して、すでにご覧になった方も多いことと思います。
もう今(12月29日現在)では、公開終了しているかもしれませんね・・
私も公開してすぐの11月9日に観に行って、早く映画評を書こうと思っていたのですが、モタモタしていたのと、公私ともにいろいろと忙しく、なかなか書けまでんでした。
とりあえず、私が感じたことを、軽く述べていきたいと思います。
①想像を絶するカーチェイスと破壊シーン
ターミネーターのシリーズを全部観ている方は、「あー、またそうなんだね」と思われると思いますが、今回のアクションシーンは半端ないです。
新型ターミネーター「REV-9」はこれまで登場したどのターミネーターよりも、完全無欠に強く、情け容赦なく、人々を殺し、様々なものを破壊していくシーンは凄まじいものでした。
メキシコのハイウェイを巨大なダンプカーに乗って、ニューヒロインが乗る車を執拗に追いかけるのですが、反対車線を逆走して、向かってくる車をオモチャのようにひっくり返していくシーンは圧巻でした。
また、スケールも半端なく大きく、主人公たちがアメリカとメキシコの国境を突破して、アメリカ軍の戦闘機をジャックして、その中で追いかけてきた「REV-9」と壮絶に戦い、大きなダムに墜落していく様は、CGなどの技術を駆使しているとはいえ、ものすごくリアル極まるものでした。
日頃、仕事などで押さえつけられていて、ストレスが極度に溜まっている方が観ると、多分スカッとするのではないでしょうか。
②サラ・コナーの深い「絶望」
本作は、正式に「ターミネーター」「ターミネーター2」を継承している作品なのですが、前作とは違い、今回のサラ・コナーは「絶望している」とパンフレットに書いてありました。
前作までは、人類が破滅的な未来を避けることができればいい、と前向きに考えてきましたが、今回の時点では、技術や機械に対する反逆のミッションを負っているとはいえ、もはや希望や人間を愛する気持ちがあまりない設定となっているようです。
まあ、前回の「ターミネーター2」までで、死闘の末、あらゆるターミネーターたちを倒してきたのに、またターミネーターが現れて息子まで殺されてしまっては、このように変わってしまう気持ちもわかります。
サラ・コナーがいくら人類全体のために、身を粉にしてガンバってみたところで、結局人類の絶滅に対して責任があるのは人類全体なのだから、ということですが、何か僕自身にもとても共感する想いが蘇りました。
個人個人がいくら正しい行為を行ったところで、組織や集団に評価されなければ何の力にもならない、というのは現実世界にも大いに有り得ることです。
今回のサラ・コナーは、復讐のための怒りを抱いているだけであり、とても厭世的でクールな印象が強かったです。
③感動的なラストシーンと結末
ラストは、前作「ターミネーター2」にも通ずる見事な感動的な結末でした。
今回、アーノルド・シュワルツェネッガー扮する「T-800」は、20年以上人間と暮らし、人間世界にかなり溶け込んでいて、自らの行いを後悔しているとのことで、今まで以上に人間臭さがあるターミネーターを演じています。
最後に、身を挺して「REV-9」と死闘を繰り広げ、一緒に滅びていくさまは、「武士道」にも通ずる清々しさを感じました。
実際のアーノルド・シュワルツェネッガーも、「REV-9」扮するガブリエル・ルナが言っていましたが、いつでも人を元気づけ、チャンスを提供してくれる、素晴らしい性格の持ち主だそうです。
最後のラストシーンでの、サラ・コナーとニューヒロインのダニー・ラモスのやり取りと会話を聞くと、この次もあるのかな?と思わせる雰囲気がありましたが、未来のことはわからないので、あまり期待せず、楽しみにしていきたいと想います。