肥満と薄毛からの脱出!「背水の陣」に直面した中年男の日記

肥満と薄毛の話題だけではなく、趣味の読書・音楽・映画などのご紹介もしますよ。

辻仁成「アコースティック セレナーデ フロム パリ 2023」20230830 EX THEATER ROPPONGI その2

EX THEATER ROPPONGIで行われた辻仁成氏のライブ「アコースティック セレナーデ フロム パリ 2023」を先日観に行ってきました。

 

前回の続きです。

pilgrim1969.hatenablog.jp

 

6曲目「My Funny Valentine」7曲目「Sunny」とカバー曲が続きましたが、素晴らしい演奏でした。

辻仁成氏は、ツアー前に日本の猛暑の影響で声が出なくなってしまったらしいのですが、それが嘘のような迫力があり、伸びのある声量の、素晴らしいボーカルでした。

 

2階席でしたが、ほぼ真ん中で、良く見えました。
この会場はなかなか良い音響で、辻仁成氏のボーカルも冴え渡っていました。

 

8曲目は辻仁成氏のオリジナル曲「サボテンの心」。

曲の前に、曲に関してのMCがありました。

「みんな自分の身を守るために、心にトゲを持って生きているんだ。オレも皆さんも、サボテンみたいに」

何気ない一言でしたが、心に響くものがありました。

辻仁成氏は確かに「ユニークな」性格の持ち主であり、昔から日本のマスコミからはあまり良く書かれることが無く、叩かれてきました。

特に、中山美穂氏と離婚した時は、マスコミからはバッシングの嵐で、それまでいた周りの人たちの大半が離れて行ってしまい、レコード会社も逃げて行ってしまう状況でした。

しかし、辻仁成氏は確かに「ユニーク」ではありますが、自分が正しいと思うことを率直に言っているだけであり、決して付和雷同しない、日本人離れした性格が、日本という風土に合わなかったのでしょう。

フランスは自由と平等と博愛の国であり、様々な人種が混合していて、意見が違うのが当たり前で、自己主張するのも当たり前という社会なので、最初は辻仁成氏も苦労しましたが、日本よりもフランスの方が自分に合うと思うようになってきたとのことです。

自分と同じような人間ばかりなので、自分を見ているようで最初はイヤだったらしいのですが、とてもシニカルで、自己主張の強い、「濃い」人たちが多いので、自分自身のユニークさなど珍しくも何ともないと思うようになり、次第にフランスの良さがよく分かってきたとのことでした。

そのような辻仁成氏の人生ゆえ、このMCの言葉は「なるほど・・・」と納得しました。

 

辻仁成氏の最新作「ジャパニーズソウルマン」のパッケージ版CDが販売されていました。
心なしか配信音源より音質が良いように感じました。

 

その後、「光の子供」「City Lights」「孤独をラッタッタ」などおなじみの曲が続き、辻仁成氏はやはり語るのが好きなので、MCがふんだんに入ってきました。

「今住んでいるノルマンディは、冬は零下の世界となります」

「半面、夏は屋根裏部屋でクーラーも無く、正直『地獄』なのですが、三四郎(ペットのダックスフンド)と一緒に楽しく住んでいますよ」

三四郎は意外と音楽がわかるようで、ある日、僕がギターを弾いていると、イケヤ(家具店)にあるような家具の六角レンチを咥えて持ってきたんです。まるで『これ、使ったらいいよ』って言っているみたいに」

「早速ギターに当ててみると、なんか意外といい音がしたんですよ」

と言って、ギターにその六角レンチを当てて演奏してくれました。

確かになかなかユニークですが、いい音がしました。

三四郎もいい感じで聴いているようでした。三四郎とイケヤと僕との合作ですね(笑)」

 

これも配信限定だった、息子との共作「トワエモア」のパッケージ版CDが販売されていました。

その後、辻仁成氏の曲ではない、有名な曲のイントロが流れ、「あれ?どこかで聴いたことがあるメロディだな」と思っていたら、サビの部分で「Japanese man in Paris」と歌うので、「ああ、これはスティングの有名な曲『English man in NewYork』のパロディだな」とわかりました。

「パリにいる日本人」

辻仁成氏らしい、面白いパロディだなあ、と思いましたが、なかなか歌も演奏も良く、パリで苦労しながらも生きてきた一人の日本人である辻仁成氏のこれまでの苦労が滲み出ているようでした。

 

最新作「ジャパニーズソウルマン」のロゴをあしらったTシャツ

 

その後、MCとなり、辻仁成氏から、イギリスのロンドンで10月にライブを行うことが発表されました。

そして、なんとロンドンでライブを行うことを勧めてくれた有名なイギリスのプロモーターであるポール氏が観に来ているというではありませんか!

1階席の前の方で観ていたポール氏を、辻仁成氏は紹介しました。

僕の座っている2階席からは見えませんでしたが、会場は大きな拍手に包まれました。

その模様を書いた辻仁成氏の文章は、以下のリンクからどうぞ。

www.designstoriesinc.com

 

無料配布のツアーパンフレットには、辻仁成氏の4ページに渡るエッセーが載っていました。最近のパリでの日常が書かれていて、なかなか興味深かったです。

 

ただ、せっかくプロモーターのポール氏が観に来てくれた、この東京六本木でのライブですが、最後の方で残念ながらハプニングがありました。

アンコールとなり、「Summer Time」「La Vie En Rose」とカバーの名曲が続く中、3曲目も有名な名曲「オー・シャンゼリゼ」の演奏が始まりました。

辻仁成氏のボーカルも演奏も全く問題は無く、会場は大いに盛り上がったのですが、辻仁成氏の「キュー」でビシッと演奏が終わったにもかかわらず、ピアニストのドクター・キョン氏は何を勘違いしたのか、ピアノを弾き続けていました。

これには、辻仁成氏もビックリしているようでした。

 

その後、ドクター・キョン氏はその場を察したのか、演奏を終わらせ、何も言わず、急に一人、ステージの袖に去っていきました。

しばらくして出てきたので、辻仁成氏に「どうしたの?」と訊かれ、「心を落ち着けるため」と青ざめた顔で答えていたのが印象的でした。

 

アンコールの最後は、フランスの有名なミュージシャン「Deep Forest」とのコラボでリリースされた、日本の伝統的な名曲「荒城の月」。

ドスの効いたシンセサイザーとドラムのアレンジと音響処理が素晴らしく、辻仁成氏のボーカルもひと際冴えていました。

演奏が終わると、会場はちぎんればかりの盛大な拍手に覆われましたが、辻仁成氏は特に何か派手なアクションをすることも無く、軽く会釈をして、メンバーともどもステージを去っていきました。

他の会場では、最後にステージの前の方にメンバー全員で立って、肩を組んでお辞儀をして挨拶をしていたようですが、この日はそれが無く、あっさりと終わってしまいました。

やはり、「オー・シャンゼリゼ」でのトラブルが原因だったのでしょうか。

その後のブログやツイッターでも、東京公演のことはイギリス人プロモーターのポール氏の紹介のこと以外は何も触れていませんでした。

まあ、博多や名古屋公演、その後の京都公演は大成功だったらしいので、まあ良かったのでしょう。

 

10月23日のロンドンでのライブでの健闘を祈りたいと思います。

www.jalpak.fr

 

コロナ禍の2021年から7回も続いた「パリごはん」シリーズの最終回が本日9月16日の午後8時よりNHKBSで放映されます。

あの三四郎君との日常も含め、今回は5月29日に行われて大成功したフランスのオランピア劇場でのライブの一部が30分も放映されるとのことで、必見です。

ぜひご興味があれば、ご覧になってください。

www.nhk.jp

辻仁成氏の「パリごはん」の番組についてのブログです。

www.designstoriesinc.com

twitter.com

 

今回8月30日のEX THEATER ROPPONGIでのセットリストです。

(僕の記憶に基づいて書いたので、間違っていたらすみません・・・)

1.レイン

2.故郷

3.祭り

4.空

5.ガラスの天井

6.My Funny Valentine

7.Sunny

8.サボテンの心

9.光の子供

10.City Lights

11.孤独をラッタッタ

12.どの方角から誰が来るのか分からないから全部開いている

13.Japanese man in Paris

        (スティングの『English man in NewYork』のカバー)

14.ALONE

15.ZOO

アンコール

1.Summer Time

2.La Vie En Rose

3.オー・シャンゼリゼ

4.荒城の月