前回の続きです。
生前の村上ポンタ秀一氏の「武勇伝」は、書籍「自暴自伝」に詳細に書かれているようですが、その中で、「新宿ロフト坂本龍一泥酔事件」というものがあったそうです。
なかなか興味深く、インタビュアーが山下達郎氏に、事の真相を尋ねていました。
当時70年代は、新宿ロフトでセッションが終わると、毎回最後に打ち上げを行い、店中の焼酎・ウィスキー・日本酒などを飲み尽くしていたようです。
店内に、シンボルの潜水艦のオブジェがあったらしく、ふと見ると、いつもポンタ氏の両足が「犬神家の一族」の殺人シーンのように、逆さに突っ立っていたそうです。
仕方なく、達郎氏が泥酔したポンタ氏を抱えて、ハイエースの車の中に叩き込んで、送ってあげたとのことです。
達郎氏は、あっさり「盛り」と言っていましたが、真相はどうなのでしょうか。
達郎氏も実は酒癖があまり良くないことは、自身のラジオ「山下達郎の楽天カードサンデー・ソングブック」(TOKYOFM)でご自分で言っていたし、桑田佳祐氏も「桑田佳祐のやさしい夜遊び」(TOKYOFM)で、達郎氏は酒を飲むと、下ネタが止まらなくなり、「ヤマシタタツマキ」になる、などと言っていました。
真相は、本人の坂本龍一氏に聞いてみるしかありませんが、坂本龍一氏は現在病気療養中なので、なかなか難しいですね。
2⃣村上ポンタ秀一氏のベストドラム
村上ポンタ秀一氏のベストなドラムについては、達郎氏は開口一番、吉田美奈子氏の「恋は流星」(1977年リリースの「TWILIGHT ZONE」収録)だと言っていました。この曲のドラムは、「ダブルドラムス」だそうで、とても素晴らしいと言っていました。
私はドラムには詳しくありませんが、調べてみると、バスドラムが2個セッティングされたドラムセットのことだそうで、略して「ツー・バス」と呼ばれていたそうです。
主に、ハードロックやヘヴィメタルで使用されることが多いそうですが、起源はジャズドラマーのルイ・べルソンだということです。
達郎氏の曲の中では、達郎氏の評価が高いポンタ氏のドラムプレイが光る「DANCER」と言いたいところだが、「MONDAY BLUE」(1978年リリースの「GO AHEAD!」収録)を挙げていました。
あの緊張感は、あの4人でなければ出せなかったとのことで、一人でもずれていたら、ダメだったそうです。
後でブースで聴き返した後、全員で「はあーっ」とため息をついたそうです。
まさに「武士の間合い」そのものですね。
文春オンラインの「山下達郎ロングインタビュー」は以上で終わりです。
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