前回の続きです。
自宅近くの循環器内科専門のクリニックを見つけ、さっそく翌日行ってみることにしました。
住宅地の奥にあるへんぴな場所ではありましたが、多くの患者でにぎわっており、周辺住民からはけっこう信頼されていることがわかりました。
残念ながら、YouTubeに出ている若い院長先生は不在でした。
先日の健康診断で受け取った心電図のデータの書面を渡し、血圧を測り、ベッドに寝て心電図測定をしました。
看護師はその波形を確認したのか、険しい表情となり、その後レントゲン写真を撮影して、診察を受けることになりました。
診察室に入ると、若い女の先生が座っていて、僕の心電図の結果をモニターで眺めながら、やはり険しい表情をしていました。
「・・・これは明らかに心房細動ですね・・・先日の健康診断の心電図データも見ましたが、ほぼ同じですね・・・」
(ああ、やっぱりそうなんだ・・・)
僕はもう腹をくくるしかないと思いました。
実は僕は今から7年前の2015年に一度心房細動を発症しているのです。
その当時勤めていた会社の業績が思わしくなく、リストラ候補を募っていて、僕も呼び出され、当時の上司の部長に有無を言わさずリストラを宣告されました。
その直後の健康診断で、心電図検査をしたのですが、担当した看護師がかなりビックリした表情をして、「何なんだ!これは!」と言わんばかりの顔つきでした。
心電図の波形がメチャクチャで、脈のリズムもメチャクチャだったそうです。
「トン・トトトトトトト・トン・ットトトットット・トントン・・・・」
およそリズムとはいえない脈拍を心臓は打ち続け、看護師は焦った表情で、言いました。
「すぐに先生に紹介状を書いてもらいますので、明日絶対きちんとした病院に行ってくださいね!」
自宅から一番近い大学病院で、以前別の病気でお世話になったことのある、東京医科大学八王子医療センターの循環器内科を受診することにしました。
やはりそこでも検査結果は同じで、手術を勧められましたが、どうしても気乗りがせず、とりあえずしばらくは薬で様子を見ることにしました。
1年くらい薬で様子を見ていましたが、一向に好転する兆しは見えず、東京医科大学病院の新宿本院に転院を勧められ、そこで出会ったのが、循環器内科のS先生でした。
40代くらいと思われるS先生(男性)は本当に気さくで、患者の言うことを親身に聞いてくれる、良い先生で、とても安心できる方でした。
そんなS先生から、ある日神妙な顔つきで、こう言われました。
「リラポンさん(僕)、大変言いにくいことですが、これ以上薬で様子を見ても、おそらく事態は好転しないでしょう。それより、カテーテルアブレーション手術を勧めます。心房の中の変な電気信号を出している部分を、カテーテルを挿入して焼き切ってしまう手術です。これは成功率が非常に高く、患者さんの負担もほとんど無いので、とてもお勧めです。いかがですか?」
信頼する先生にここまで言われ、断る理由もなく、僕はすぐに快諾し、2016年の秋、1週間ほど入院して、手術を受けました。
その後、経過は良好で、S先生も喜んでくれて、1年後の2017年秋に経過観察終了となりました。
クリニックの若い女の先生はこう言いました。
「当院で薬を投与して、しばらく様子を見るという方法もありますし、こちらで紹介状を書いて、大学病院に行っていただき、手術を受ける方法もあります。どちらを選ぶかは患者さんの選択に任せます。」
僕は少し考えた挙句、こう言いました。
「以前手術を受けた東京医科大学病院のS先生への紹介状を書いていただけますでしょうか。」
(次回に続く)
※YouTubeもやっていますので、ぜひこちらもご覧になってください。