年末も押し迫った2022年12月30日、横浜アリーナで開催された、桑田佳祐氏の LIVE TOUR 2022「お互い元気に頑張りましょう」を観に行きました。
前回の続きです。
後半は、桑田さんがアコースティックギターを抱えて、アコースティックバージョン3曲から始まりました。
まず1曲目は、1994年リリースの「孤独の太陽」収録の「鏡」の、小気味良い粋なアコースティックギターのイントロから始まりました。
歴代のベスト盤に必ず収録されていて、もちろん今回の「いつも何処かで」にも収録されています。
特にシングルカットされたわけではない、あくまでもアルバムの中の一曲ですが、きっと桑田さんも気に入っているのでしょう。
2曲目は、KUWATA BANDの大ヒットシングル曲にして、代表曲の「BAN BAN BAN」。
この曲は壮大なブラスバンド風のアレンジですが、このようなアコースティックバージョンは初めて聴くことが出来て、とても新鮮でした。
3曲目は、1988年リリースのデビューアルバム「Keisuke Kuwata」収録の「Blue ~ こんな夜には踊れない」。
この曲は、今回のベスト盤「いつも何処かで」には収録されておらず、ちょっと意表を突かれました。
突如、南国の夜のタイマツのような火がいくつか灯り、南国風のリズムが奏でられ、とても心地良い、いい感じの曲でした。
桑田さんお得意の、女性ダンサーによるセクシーダンスが披露され、これはなかなかキワどい感じでした。
その後、桑田さんが「暑い!暑いよね!」と言って、長方形状のモノをウチワ代わりに仰いでいました。
そして、わざとらしく「アレ?」と声を上げて、それを見てみると、10月19日発売の原由子のニューアルバム「婦人の肖像」のCDでした。
すると、「65歳にして31年ぶりのニューアルバムです。スゴイよねー!僕も制作に関わっていますので、ぜひよろしくお願いします!」と言いました。
さりげないギャグのような感じですが、原由子への愛情を感じました。
その後、今回のベスト盤「いつも何処かで」に収録された、今回のメインとなる新曲「なぎさホテル」のまったりしたリズムでしばし和み、その後、「現代東京奇譚」「ほととぎす [杜鵑草]」と、バラードの名曲が2曲続きました。
バラード曲が3曲続いた後、いきなり2021年発売の「ごはん味噌汁海苔お漬物卵焼き」収録の「Soulコブラツイスト~魂の悶絶」が始まり、ステージと会場は大盛り上がりとなります。
桑田さんと女性ダンサーとの滑稽なカラミが面白く、ダンサーが歌っている桑田さんの肩に、腕や手を置くと、桑田さんがうざったそうに振り払うという仕草を繰り返します。
そのうちにエスカレートして、歌っている桑田さんに女性ダンサーがいきなりけっこう本気と思われるコブラツイストをかけてしまいます。
桑田さんは、あまりの痛さに前に突んのめってしまい、その間きちんと歌が歌えませんでした。
桑田さんは思わず女性ダンサーを睨みつけてしまうのですが、女性ダンサーはどこ吹く風と、シラーっと退場してしまいます。
その後の最後のメンバー紹介で、ダンサーを紹介した時、その女性ダンサーに向かって、「○○ちゃん!あれ、マジで痛かったんだよ!」と、真顔で本気で怒っていたのが印象的でした。
その後、1987年リリースのデビュー曲「悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)」で、再び銀テープが乱舞して大いに盛り上がり、テンションが上がってきたところで、あの「ヨシ子さん」の印象的なシンセのイントロが始まりました。
女性ダンサーたちが、けっこうリアルで気味が悪い、ゾンビのような面をかぶって、桑田さんの周りで踊り、桑田さん自身が本当に気持ち悪そうな感じで、顔をしかめて歌っていました。
ここまで大いに盛り上がったところで、いきなり聴き慣れない昭和歌謡のイントロが流れました。
あの美空ひばりの「真っ赤な太陽」です。
往年の美空ひばりの歌う姿の映像をバックに、美空ひばりになり切って熱唱。
桑田さんの昭和歌謡に対する深い愛情を再確認しました。
桑田さんは、ライブの初頭からしばしば「あんな水着姿の女の子たちが大勢出てきて、踊りまくって、『波乗り』するような歌なんか、今回は歌いませんよ!」と、言っていました。
しかし、「真っ赤な太陽」が終わった後、いきなりお決まりの水着姿の女の子たちが大勢出てきて、「波乗りジョニー」が始まり、なんのことはなく普通に熱唱しました。
やっぱりこの曲はかなり盛り上がりますね。
そして、桑田さんは腕を上げて、一礼をして、メンバーと一緒にステージを去ったのでした。
(次回に続く)