今年2024年1月11日で一周忌を迎える高橋幸宏氏(YMO・サディステック・ミカ・バンドなど多くのグループで活躍)が2018年11月24日に東京国際フォーラムで行った「SARAVAH SARAVAH! 高橋幸宏 LIVE 2018」のライブ映像が、109シネマズプレミアム新宿で上映され、僕は1月28日(日)に観に行きました。
前回の続きです。
この映画館の特徴は、音響が良いだけでなく、席の居住空間も秀逸だということです。
普通の映画館と違い、ギチギチに詰められた安っぽい狭い席ではなく、広々としていて、普通の映画館の席の2倍くらいの幅があります。
腕を乗せるアームレストの幅が広くて、ソファのように心地よく、シート自体も高級ホテルにあるような深々と座れて柔らかい感触のもので、とても心地よかったです。
もちろんドリンクを置くホルダーは両側にセットされていました。
他の上映予定の映画の宣伝が終わり、今回の高橋幸宏氏のライブの映像が始まりました。
冒頭は、おそらく高橋幸宏氏の乗った車が高速道路を走っていて、綺麗な夕日を見ながら、「SARAVAR!」収録の「SUNSET」がカーステレオでかかっているシーンでした。ちょこちょこっと高橋幸宏氏がおそらく家族と話している会話がなんとなく聞こえました。
その後、高橋幸宏氏が晩年療養先として滞在していた軽井沢の家で、愛犬と戯れながら食事をしたり、散歩をしているシーンが映し出されました。
時間にして約5分程度のシーンでしたが、とりあえず安らかに晩年を過ごしていたことがうかがわれて、安心したと共に、もう高橋幸宏氏はこの世にいないのだという一抹の寂寥感を感じ、少し悲しくなりました。
それらの映像が終わると、2018年11月24日東京国際フォーラムでのライブのイントロダクション部分に移りました。
そこから先は、すでに販売しているBlu-rayディスクやDVDの内容と同じでしたが、決定的な違いは、大画面で観られたことと、なによりも音響の秀逸さでした。
大画面で観られたことにより、自宅のテレビではわからなかった高橋幸宏氏やメンバーの微妙な表情が確認できました。
そして、音響の秀逸さにより、自宅のテレビやCDやスマホで聴いていた時には聴こえなかった音が聴こえました。
この映画館の音響は、坂本龍一氏が監修したとのことですが、坂本龍一氏は普通の人が聴こえないような超高域の帯域の高音が聴こえていたとのことでした。
僕自身の耳にはそのような超高域の高音は聴こえてはいないと思いますが、自宅のテレビなどでは聴こえていなかったキーボードの高音の音や、コンピュータープログラミングで作成した高音などがバンバン耳に入ってきました。
高橋幸宏氏やメンバーたちの真剣な表情で繰り広げられる素晴らしい演奏、途中で公開されたニューヨークに滞在中の坂本龍一氏のボソボソと話すコメント、その後途中から参加した細野晴臣氏の入場時における「ボケ」などまで、音と映像でクリアに感じることが出来ました。
上映が終わり、エンディングのテロップが映し出されると、どこからともなく拍手が鳴り響き、全体の拍手となりました。
見ると僕より年上と思われる50代後半・60代・70代と思われる観客が多く、みなYMOに感化された世代であり、それぞれの胸にいろいろな思いがあるのでしょう。
ロビーを出て下の階に行くと、売店があり、覗いてみると、高橋幸宏氏をはじめとしたYMOのメンバーやYMOのCDやレコード・書籍が所狭しと展示されていました。
その中で、高橋幸宏氏の軽井沢での晩年の写真をあしらったポストカード冊子が販売されていましたので、さっそく購入しました。(写真添付します)
ここでも晩年を楽しく穏やかに過ごしていた高橋幸宏氏の状況がうかがわれますが、やはりとても悲しい気持ちになってしまいました。
今回のライブの上映は1月28日で終了しましたが、また何らかの機会に再上映されることを希望します。
また、4月26日からは坂本龍一氏の晩年のドキュメント映画「OPUS」がここ109シネマズプレミアム新宿で上映されるとのことで、こちらもぜひ観に行きたいと思います。