人事部長からの連絡を受け、翌週12月26日火曜日の午後12時より、人事部長と直属上司との休職に関する面談を行うことになりました。
しかし、その直前に問題を起こしたふざけた取引先と電話でひと悶着あったのでした。
前回の続きです。
居酒屋の社長からはすぐに陳謝の返信メールがあり、その後管理会社と「オリロー」の再設置工事の日程調整をして、結局27日水曜日の午後3時ころに行うことになりました。
その件を居酒屋の社長に連絡しなければならなかったのでした。
まず、僕はメールでこの件を伝えました。
すると、しばらくして居酒屋の社長から返信がありました。
しかし、それは僕を憤慨させる内容でした。
「先ほどお伝えいただいた27日水曜日の午後3時ころは、お客さんの予約が入っているので、作業をするのは困ります。別の日にリスケしてもらえますか?」
通常であれば、これはもっともな事なので、リスケの手配に応じるところでありますが、今回は事情が違います。
居酒屋側は、消防署の指導による法で定められた緩降機、通称「オリロー」と呼ばれている避難器具をあろうことか無断で取り外してしまったのです。
しかも、これはビル所有者の資産であり、このようなことが消防署にバレれば、最悪ビル所有者も罰せられることになります。
そのような経緯から、管理会社はひどく怒っていて、放置しておくとマズいので、年内には再設置を終わらせたかったわけです。
年末も迫っている中、業者も仕事納めがあったりして、リスケ手配するのは大変な事です。
そういうことをわかっていっているのだろうか?
偏見は持ちたくありませんが、居酒屋の社長は中国人であり、日本での経営はある程度の期間やっているようですが、文化や気質の違いなのか、さほど大変な事とは思っていないように見受けられました。
こうやって冷静に書いていますが、当時は僕は「カーっ!と」瞬間湯沸かし器のように頭に血が上りながら、居酒屋の社長に電話をしました。
先方が電話に出ましたが、平然としているようでした。
僕は事情を話しましたが、メールで返信してきたことを平然と話してきたので、「ふざけんなよ!」とさらに頭に血が上り、会社の人たちが周りにいることも忘れて、オフィス全体に響き渡る大声で怒鳴り散らしていました。
あまりの大声と剣幕に、周りはシーンとした感じで静まり返っているようでした。
そして、居酒屋の社長も僕の剣幕に押されて、最初はいろいろと弁解や反論をしていましたが、やがて泣いているような声になり、すすり泣いている感じでした。
「御社・・・Rさん(僕)とは今までうまくやってきたと思ってきたのです・・・これからもうまくやっていきたいと思っているのです・・・」
僕の会社の転貸先のテナント(取引先)は本当に無礼な会社が多く、平気で賃料を滞納したり、踏み倒すような、ふざけた悪質な会社ばかりでした。
しかし、この居酒屋の社長に関しては、長い間契約している中、滞納は1度も無く、お願いしたことはある程度やってくれてはいたので、どちらかというと良好な取引先ではありました。
さすがに僕の怒りも多少収まってきて、「御社は賃料の滞納が一度も無く、良い取引先だとは思ってきました。でも今回のことはとても重要で大変な事なんですよ。御社の100%の責任なんだから、お客さんの予約が入っていようと、迅速に対応しなくてはならないんですよ」と言いました。
「わかりました。明日の午後3時でなんとか手配いたします」
居酒屋の社長はすすり泣くような感じでこう言って、電話は終わりました。
僕は、電話を切った後、かなり疲弊しました。
怒るのもとても疲れて、精神的な負担は大きいのです。
そんなところ、人事部長と直属上司との面談の時間となったのでした。
(次回に続く)