肥満と薄毛からの脱出!「背水の陣」に直面した中年男の日記

肥満と薄毛の話題だけではなく、趣味の読書・音楽・映画などのご紹介もしますよ。

QUEEN+ADAM LAMBERT THE RHAPSODY TOUR IN TOKYO DOME 20240214 その1

先日2024年2月14日、東京ドームで行われたQUEENADAM LAMBERT による「THE RHAPSODY TOUR」の最終公演ライブを観に行きました。

うつ病寸前の適応障害で休職中であり、そんな僕にとって5万人以上を収容する東京ドームのライブに行くことは、実に恐怖でしかなかったのですが、チケットは以前から購入していたし、なによりも約4年ぶりで滅多に観ることが出来ない大好きなクイーンのライブなので、行かざるを得ませんでした。

ところで、公式サイトを始め、すでにあらゆる音楽誌やネットの記事にライブ・レポートが載っているので、ここでは僕の印象に残った部分だけを切り取って、ごく簡単にご紹介したいと思っています。

 

2020年1月以来、約4年ぶりのライヴで、感慨深いものがありました。

 

1⃣ グッズ売り場について

現地には開演時間の2時間以上前に着いていて、開場時間の午後5時になると同時にグッズ売り場に並ぼうと思ったら、すでに大行列になっていて、自分の認識の甘さを反省しました。

しかし、列の流れは早く、20分ほどで売場窓口にたどり着きました。

それまでに僕と妻は何を買おうかすでに考えていて、ロジャー・テイラープライベートブランドのパーカーを購入しようと考えていました。

ところが、どのサイズもすべて売り切れとのことでした・・・

それでは!と、アダム・ランバート名義のなかなかステキな色合いのアクアブルーのパーカーを買おうとしましたが、そちらもすでに全サイズ売り切れでした。

グッズ売り場の争奪戦には辟易しました。

そこで、仕方なくと言っては何ですが、クイーン名義のブラックのパーカー(文字などはゴールド)は全色あるとのことで、二人してサイズ違いの同じものを購入しました。

まあ、こちらも悪くないデザインでしたので、良しとしました。

でも、妻はロジャー・テイラーの大ファンで、何がしかプライベートブランドの商品を買いたかったようで、クイーンのロゴが入ったドラムスティックを購入しました。

まあ、今回の反省点としては、本当に欲しいグッズを手に入れるためには、開場時間より相当前から並ぶ覚悟が必要だということですね。

 

開場時間の午後5時過ぎですでにこんな感じの行列でした。

 

今回購入したクイーンのパーカーと、ロジャー・テイラープライベートブランドのドラムスティックです。

 

今回のツアーパンフレットです。写真がメインですが、
様々なエピソードが老眼の目にはちょうど良い大きさの文字で書かれていて、
内容も良いです。

 

2⃣ 席について

今回の席は、S席(17,000円)を購入したためか、3塁側のスタンド席の最前列ブロックで、前から2列目という超スペシャルな席で、ステージに向かってやや左斜め側からの角度ですが、よくステージ上が見えました。

しかも、シートは先日言った109シネマズプレミアム新宿を思わせる革張りのようなデラックスな仕様で、四方が広々としていてとてもリラックスできました。

確か最も一般的なスタンド席のA席は12,000円でしたが、このような特別な時にはあまりケチらないことが大切だと痛感しました。

 

今回の僕たちの席から見たステージです。とても良い席でした。

 

ここから、ステージの内容について書こうと思っていたのですが、メンタル疾患中で息切れしてしまったので、申し訳ございませんが、ステージ本編については次回のブログでご紹介します。

 

 

 

ゆるく生きれば楽になる~60歳からのテキトー生活 和田秀樹 その4

クソ真面目で完璧主義な僕にとって、ピッタリの本に出会いました。

前回の続きです。

 

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3⃣ 「いい人」の弊害

前回は、「日本人の真面目さの弊害」についてお話しましたが、それと並んで日本に多いのが「いい人の弊害」だと思うのです。

和田氏も同じことを言っていました。

 

日本人は「いい人」が多く、また「お人好し」も多い国です。

和田氏は、例として、医者にお礼を渡す人のことを言っていました。

手術前に執刀医に金銭を渡すのが慣習だと信じて渡す人がいますが、そんなことをすると、舐められるだけだと和田氏は言っています。

そんなお人好しなことをしていると、「この人はたとえ失敗したとしても、文句を言っては来ないだろう」と舐められるだけだと言っています。

医者に嫌われたら、手術の手を抜かれてしまって困るからと怖がっている人が多いと言いますが、それは違うとのことで、僕もそれは同感です。

 

逆に、「治療の内容について、根掘り葉掘りしつこく聞いてくる人」「薬の副作用についてしつこく尋ねてくる人」は、医者からすれば「面倒くさい」人と思われるかもしれませんが、その代わり、「この人は失敗でもしたら、訴えてくるかもしれない」と考えて、真剣にならざるを得なくなるしょう。

この「面倒くさい人」と思われることが、僕は何事においても重要だと考えています。

これは特に仕事においても重要です。

相手の言うことをよく聞いて、なんでもそのまま受け入れる人は、相手から見れば「都合のいい人」です。

悪く言えば舐められるだけであり、おとなしく相手の言うことだけを聞いていることが、良い結果に結びつくとは限らない、僕はこれまでの人生で本当にそのように痛感しました。和田氏も同じことを言っています。

 

若い人にもオススメですが、「ゆるく生きること」は特に60歳を過ぎたら重要だと和田氏は強調しています。

 

相手に媚びへつらって舐められるお人好しの「いい人」についてお話しましたが、「いいこと」を他人に強制するような「いい人」も困りものです。

「自分はルールを守るいい人」だと思い込み、ゆるくなれない「いい人」は、「相手に気を遣う」「いろいろなことを我慢する」ことがいいことだと思い込んで、自分自身を縛って自らを生きづらくしています。

自分だけが苦しむのならまだいいのですが、これらの人たちは決して自分のルールを曲げない頑固な人たちが多く、他人にも自分の考える正義を強制し、世の中全体を生きづらく息苦しい世の中にしています。

コロナ禍で蔓延していた「マスク警察」などもその典型です。

 

和田氏は、電車やバスのシルバーシートを例に挙げていましたが、僕もシルバーシートに関しては腹が立つことを多く経験しました。

「自分は65歳になっていないのだから、シルバーシートに座ってはいけない」と頑なに思い込み、どんなに空いていても座らない人がいます。

でも、体調が悪かったり、疲れていれば座ってもいいのですし、座った方が周りの邪魔にならないこともあります。

ある日、比較的空いている電車でシルバーシートが空いていたので、疲れていたから座ったことがありました。

すると、近くにいた身なりのきちんとした紳士然りとしたサラリーマンからギロッと睨まれることがありました。

そういうことは今まで何度か経験しています。

 

和田氏も言っていますが、「自分はルールをきちんと守るいい人だ」と思いこんで、独りよがりに悦に入っている人は、世の中に重苦しい空気を蔓延させている「偽善者」であると、いつか自分で気がつくことになるでしょう。

 

次回のブログに続きます。

 

ゆるく生きれば楽になる~60歳からのテキトー生活 和田秀樹 その3

クソ真面目で完璧主義な僕にとって、ピッタリの本に出会いました。

前回の続きです。

 

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2⃣ 日本人の真面目さの弊害

日本人は基本的に真面目であり、「自分に厳しくしなければならない」「自分をきちんと律することが出来る人が立派である」という考え方が身についていると和田氏は言っています。

電車やバス、飲食店など、基本的に割り込みなどする人はほとんどなく、きちんと列に並んで順番を待っています。

 

しかし、和田氏はこんなエピソードを話していました。

羽田空港から帰宅するため、タクシーを使おうと思っていたところ、タクシー乗り場は長蛇の列となっていたそうです。

仕方なく、スマホを取り出してタクシーアプリでタクシーを呼び出したところ、すぐに来てくれて、長蛇の列で並んでいる人たちを横目に先に出発してしまったそうです。

現代は、タクシーアプリを呼べば、すぐにタクシーを呼べる時代です。

なのに、なぜそういった文明の利器を使わず、いつまでも列が短くならない、もしかしたら順番が来るまでに1時間も2時間も待つ羽目になるのに、それを知りながら、列に並んでいるのか、不思議に思ったそうです。

しかも、年がら年中、いつもスマホを見続けているくせに、そういったことには気がつかないのだろうか?

一体、何のためにスマホをそんなに見続けているのか・・・

 

考えてみれば、僕の身近にも似たようなことがよくあります。

僕は東京郊外の新興住宅地に住んでいますが、近くに某有名なホームセンターや人気のある外資系スーパーマーケットがあり、僕の家の前は休日になると、いつも大渋滞を巻き起こしています。

毎週毎週休日になると、大渋滞にはまり、よくこの人たちは我慢できるなあ、といつも不思議に思っていました。

平日は必死に働き、たまの貴重な休日なのに、なぜ自ら大渋滞にはまって、苦痛と共に貴重な時間を浪費するような選択をするのだろうか?・・・

ホームセンターやスーパーマーケットなんて、探せば他にもいくらでもあり、大渋滞しないような場所の店を選ぶという選択もあるのに、なぜこの人たちはそういう選択をしないのだろうか?・・・

僕はいつもその人たちと反対方向に車を進め、それらの車に乗っている人たちの表情を見るのですが、能面のように無表情か、うんざりした顔をしています。

 

ゆるく生きるためのさまざまなヒントが所々に書かれています。

 

以上のような例から考えてみると、日本人は列があるとそこに並んで待たなくてはならないと無意識に思い込んでいる人たちが多いのでしょうか。

そのように幼少の頃から教育され、もしくは古来からのDNAとして残されているのでしょうか。

列に並んで待つことが絶対的な正義であり、なにかうまい手を使って抜け駆けすることは悪いことのように無意識に思ってしまう傾向が日本人にはあるようです。

 

しかし、和田氏も言っていましたが、タクシーアプリを呼んでタクシーに乗った方が、自分も楽だし、他の人たちも列が短くなって助かるはずです。タクシーの運転手もその方が効率的に稼げて良いはずです。

 

休日に特定のホームセンターやスーパーマーケットを目指して、大渋滞に自ら突っ込むより、他にも楽しいホームセンターやスーパーマーケットは無いのだろうか、と探してみることで、自分や家族も貴重な時間を浪費することが無くなり、仕事で運転している関係ない人たちが大渋滞に巻き込まれることなく、本当にそれらの道路を通る必要がある車(救急車・消防車・運送トラック・バス・タクシーなども含めて)が円滑に通ることが出来るはずです。

和田氏の言うとおり、「こうしなくてはならない」「その場の状況に黙って従うべき」という思い込みから離れて自由になることで、みんなが楽になると思うのです。

 

次回のブログに続きます。

ゆるく生きれば楽になる~60歳からのテキトー生活 和田秀樹 その2

クソ真面目で完璧主義な僕にとって、ピッタリの本に出会いました。

前回の続きです。

 

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この本の著者である和田秀樹氏は、前書きでも書いていますが、教育論にも携わったことがあり、自身の受験勉強の体験をもとに綴った「受験は要領」という本を40年近く前に出して、ベストセラーになりました。

この本はその当時大いにはびこっていた根性論とは一線を画し、徹底的に「要領」「効率性」にこだわり、「数学の問題が出来ないのなら、さっさと答えを見てそれを覚えた方が点になる」など過激な事を書いていたため、当時の教師や教育関係者から大ひんしゅくを買って、ボロクソに批判されたそうです。

ところが、そのような批判していた教育評論家などの人たちの本を10年ほど前からすっかり見なくなってしまったそうです。

それらの人たちは、まだ生きていてもおかしくない年齢なので、和田氏がふと考えたのは、彼らはうつ病のようになってしまったのではないかということでした。

同じ結果を出すのであれば、少しでも楽なやり方でやった方が心身が潰れなくていいというのが、40年近く精神科医をやってきた和田氏の結論だということです.

それは、自分に厳しく、苦しいやり方を選んでしまう人たち(僕もそうです)が、うつ病などで潰れていく様を見てきたからなのだそうです。

 

以下、この本を読んで、僕なりに響いたことを6つにまとめてお伝えしようと思います。

この本のすべての箇所に通ずる大前提は、「自分に厳しくするのはやめて、ゆるい自分になろう」ということです。

 

本当にこの本に出会って良かったと思っています。

 

1⃣ 苦手なことを克服しない

和田氏は、自分の苦手なことを克服しようと頑張らず、それを認め、自分が得意な出来ることだけをやる、自分の好きなことだけをする、ことが重要だと言っています。

これは、僕の敬愛する精神科医で作家の樺沢紫苑氏も言っています。

 

日本の社会は現在までずっと「減点主義」の社会でした。

そして、特に僕たち50代以上の世代は、「すべてのことをまんべんなく出来なくてはならない」と教えられてきました。

国語・数学・理科・社会・体育・音楽・図画工作・・・すべての教科が合格点となることを求められました。

クラスメイトの中には、科学者のように理数系が突出してできる人、運動神経がとても良くてマラソンでもいつも1位を取ってしまう人、手先が器用で図画工作がメチャクチャ得意な人、さまざまな「天才的な人」がいましたが、その他の教科が合格点が取れないと、「それではダメだ!」とすぐに教師に否定され、苦手な科目の特訓を受けさせられました。

せっかく突出した素晴らしい成果を上げる科目があるのに、教師たちはそれには注目せず、苦手な科目ばかりあげつらって、その科目の合格点を取るよう、目を吊り上げて声を荒げて言われるのです。

それは科目の勉強だけにとどまらず、「みんなと仲良くしなければならない」「決まりは守らなければならない」など、日常生活の隅々までに及びました。

そして、ある一つのことが突出して才能があったとしても、他がダメであるような「デコボコした」人間はほとんど評価されず、むしろ変わり者のように思われるだけでした。

 

そういったことは、学校や家庭だけにとどまらず、社会人となって就職してからも続きました。

営業で成績を上げても、上司からよく思われていなければ出世も出来ないし、昇給も無い。

実績を上げても、人間関係が良くなければ、足を引っ張られる。

実に日本の社会は息苦しいと、50年少々生きてきて、感じています。

 

そこで、和田氏は社会人になってからについては、こう提言しています。

苦手な分野で悪戦苦闘している間に、得意分野であればどんどん成果を上げることが出来る。その方が本人も楽であり、ひいては組織(会社や役所・学校)にとってもプラスになるということです。

人生においては、圧倒的に得意な分野を伸ばした方が強い。

出来なかったことが出来るようになるのは大切ではあるが、苦手分野を克服することこそが成長の証ということではない。

苦手な分野を克服したところで、せいぜい並程度にしかなれない。

 

このことは、僕の心に響きました。

僕は子どもの頃から勉強は得意でしたが、運動神経がほぼゼロで、手先が不器用でした。

そして、性格的には引っ込み思案で消極的で、ほとんどしゃべらない子供でした。

勉強が得意でいい点数を取ってくるのに、親や教師からはそのことで褒められた記憶が無く、むしろ「体育が不得意」「不器用」「引っ込み思案で消極的」なところばかりを攻撃され、自信を失くさせられていました。

多くの友達からも、同じようなことでいじめられました。

「勉強だけ出来たってダメなんだよ!」

「学校の勉強で習うことなんて社会に出たら、ほとんど役に立たないんだよ!」

こうして、僕は自信を失くし、「周りに認められるためにはすべてのことが完璧に出来るようにならなければならない」と強く思うようになりました。

こうして思い起こすと、僕の現在まで続く「完璧主義」の性格的傾向は、実に幼少の頃から形成されてきたのでした。

でも、すべての人に言えることですが、すべてのことを完璧に出来るようになることなど不可能です。

よって、僕の少年時代は、「勉強ができる」という利点を持ちながらも、常に劣等感に苛まれ、自信を持つことが出来ず、ジメジメとした気持ちで過ごしていたのでした。

そして、それは社会に入ってからも続くのでした。

 

長くなり、息切れしてしまったので、この続きは次回のブログでお話します。

 

 

ゆるく生きれば楽になる~60歳からのテキトー生活 和田秀樹 その1

僕は他のブログでも書いていますが、けっこうクソ真面目な性格で、完璧主義な性格です。

50代半ばですが、30数年間サラリーマンとして、ツラくて大変な仕事、しかも自分には向いていないどちらかというと嫌いな仕事を一所懸命やってきました。

それで報われてきたかというと、ある程度は報われたかもしれませんが、決して自分が納得する形ではなく、不器用さ・要領の悪さもあってか、大して出世することも無く、リストラもされたりして、転職を繰り返してきた波乱万丈な人生を送ってきました。

 

今の会社も6年数ヶ月前の2017年に入社し、8歳も年下の上司にこき使われ、社長も含めほとんどの社員が年下の中、「クレーム処理」が主のツラくて大変で、僕の苦手とする調整力・コミュニケーション能力を必要とする仕事にずっと従事してきました。

コロナ禍以降は、何とか工夫して、リモートワークを増やしたり、残業・休日出勤は一切やめ、休日や自由時間は家族とのコミュニケーションや趣味に没頭することでリフレッシュしてきました。

しかし、知らないうちにストレスは膨大に蓄積していたようで、今の仕事に従事している以上、なかなかメンタルへのダメージを抑えていくのは難しかったようで、昨年夏より徐々にメンタルの調子は悪化の一途をたどり、昨年9月より精神科に通院し、今年に入って1月中旬より休職することになりました。

まあ、こうなった原因はいろいろとありますが、僕のクソ真面目で完璧主義的な性格も大きいのだろうと、書店をぶらぶらしていたところ、今回ご紹介する本に出会いました。

 

クソ真面目で完璧主義な僕にはピッタリな本でした!!

 

この本の著者:和田秀樹氏については僕は全くと言っていいほど知らなかったのですが、プロフィールを見ると、1960年生まれの63歳(2024年2月現在)で、東京大学医学部出身の精神科医で、40年近くに亘り高齢者の精神医療に携わってきたのだそうです。

その華麗な経歴とは裏腹に、軽妙な語り口とわかりやすさに惹かれ、一気に読んでしまいました。

また、クソ真面目で完璧主義で、自分に厳しくする傾向が強い、僕みたいな性格の人間にはピッタリの内容で、激しく同意することも多く、簡単にご紹介したいと思います。

 

ただ、現在「適応障害」でメンタルを病んでおり、少し頑張るとすぐ息切れしてしまうので、この続きは次回のブログで改めてご紹介いたします。

人事部長と直属上司との面談 その3

人事部長からの連絡を受け、翌週12月26日火曜日の午後12時より、人事部長と直属上司との休職に関する面談を行うことになりました。

しかし、その直前に問題を起こしたふざけた取引先と電話でひと悶着あったのでした。

前回の続きです。

 

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その問題を起こした取引先の社長との電話を切った後、僕はかなり疲弊しました。

「怒る」「叱る」という行為もとても疲れて、精神的な負担は大きいのです。

周りはシーンと静まり返って、何か気まずい感じの雰囲気が流れていました。

そんなところ、人事部長と直属上司との面談の時間となったのでした。

 

会議室に入り、人事部長と直属上司のA部長を前に、席に座りました。

そして、人事部長の方から今後のことについて説明がありました。

「先日の産業医の話を聞きまして、Rさん(僕)においては休職が必要なことを理解しました。今後の休職までの流れを話したいと思います」

「これからすぐに年末年始休暇に入ってしまうので、ここではじっくり休んでいただいて、年明けの1月4日と5日が出勤日となっていますが、この2日間も有給休暇を取って休んでいただいて、その翌週1月9日に出勤していただき、そこで引継ぎをするという流れでいかがでしょうか?」

僕とA部長への確認でしたが、二人とも異存は無いということで同意しました。

 

そして、持参した主治医からの診断書を人事部長に渡しました。

人事部長は封筒を開け、しげしげと診断書の中身を確認しました。

 

そして、続けました。

「引き継ぎ後の1月10日からは残っている有給休暇を取って休職していただいて、その後は傷病手当金の給付となります」

「ただ、給付額は通常の給与の三分の一程度となりますので、Rさんにとっては今後の経済的なことが一番心配だと思います」

「診断書にも書いてありますが、だいたい3月中旬頃を目途に復職できればと考えています。その前に産業医の判断が必要となります」

産業医は月に一度しか来社しないので、そのタイミングで一度来社していただき、面談していただくことになります」

 

一連の流れを説明され、人事部長はまた続けました。

「実は私の兄は教師をやっていたのですが、うつ病を患ってしまい、休職しました。でも、なかなか良くならず、結局退職してしまい、それからずっと今でも家に引きこもったままの状態になっています」

「うちの会社でも、うつ病を患って休職している方はいますし、今までも休職していた方は現場の店舗も含めて結構いました。休職しても良くなってくるとすぐに復職する方が多かったのですが、結局無理をしてしまって再発してしまい、退職してしまった方が大勢います」

「なので、休職期間中はしっかり休んでいただき、復職に関しても慎重に進めたいと考えています」

「とにかく年末年始休暇はゆっくり休んでください」

 

いつもは無表情でポーカーフェイスの人事部長が、自身の家族の経験も交えてエピソードを語り、このような温かい言葉をかけてくれたのはとても意外でした。

この日が年内の最後の会社への出勤日であり、28日まであと2日間仕事をして、僕は年末年始休暇へと入るのでした。

 

(次回に続く)

人事部長と直属上司との面談 その2

人事部長からの連絡を受け、翌週12月26日火曜日の午後12時より、人事部長と直属上司との休職に関する面談を行うことになりました。

しかし、その直前に問題を起こしたふざけた取引先と電話でひと悶着あったのでした。

前回の続きです。

 

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居酒屋の社長からはすぐに陳謝の返信メールがあり、その後管理会社と「オリロー」の再設置工事の日程調整をして、結局27日水曜日の午後3時ころに行うことになりました。

その件を居酒屋の社長に連絡しなければならなかったのでした。

まず、僕はメールでこの件を伝えました。

すると、しばらくして居酒屋の社長から返信がありました。

しかし、それは僕を憤慨させる内容でした。

 

「先ほどお伝えいただいた27日水曜日の午後3時ころは、お客さんの予約が入っているので、作業をするのは困ります。別の日にリスケしてもらえますか?」

通常であれば、これはもっともな事なので、リスケの手配に応じるところでありますが、今回は事情が違います。

居酒屋側は、消防署の指導による法で定められた緩降機、通称「オリロー」と呼ばれている避難器具をあろうことか無断で取り外してしまったのです。

しかも、これはビル所有者の資産であり、このようなことが消防署にバレれば、最悪ビル所有者も罰せられることになります。

そのような経緯から、管理会社はひどく怒っていて、放置しておくとマズいので、年内には再設置を終わらせたかったわけです。

年末も迫っている中、業者も仕事納めがあったりして、リスケ手配するのは大変な事です。

そういうことをわかっていっているのだろうか?

偏見は持ちたくありませんが、居酒屋の社長は中国人であり、日本での経営はある程度の期間やっているようですが、文化や気質の違いなのか、さほど大変な事とは思っていないように見受けられました。

 

こうやって冷静に書いていますが、当時は僕は「カーっ!と」瞬間湯沸かし器のように頭に血が上りながら、居酒屋の社長に電話をしました。

先方が電話に出ましたが、平然としているようでした。

僕は事情を話しましたが、メールで返信してきたことを平然と話してきたので、「ふざけんなよ!」とさらに頭に血が上り、会社の人たちが周りにいることも忘れて、オフィス全体に響き渡る大声で怒鳴り散らしていました。

あまりの大声と剣幕に、周りはシーンとした感じで静まり返っているようでした。

そして、居酒屋の社長も僕の剣幕に押されて、最初はいろいろと弁解や反論をしていましたが、やがて泣いているような声になり、すすり泣いている感じでした。

「御社・・・Rさん(僕)とは今までうまくやってきたと思ってきたのです・・・これからもうまくやっていきたいと思っているのです・・・」

僕の会社の転貸先のテナント(取引先)は本当に無礼な会社が多く、平気で賃料を滞納したり、踏み倒すような、ふざけた悪質な会社ばかりでした。

しかし、この居酒屋の社長に関しては、長い間契約している中、滞納は1度も無く、お願いしたことはある程度やってくれてはいたので、どちらかというと良好な取引先ではありました。

 

さすがに僕の怒りも多少収まってきて、「御社は賃料の滞納が一度も無く、良い取引先だとは思ってきました。でも今回のことはとても重要で大変な事なんですよ。御社の100%の責任なんだから、お客さんの予約が入っていようと、迅速に対応しなくてはならないんですよ」と言いました。

「わかりました。明日の午後3時でなんとか手配いたします」

居酒屋の社長はすすり泣くような感じでこう言って、電話は終わりました。

 

僕は、電話を切った後、かなり疲弊しました。

怒るのもとても疲れて、精神的な負担は大きいのです。

そんなところ、人事部長と直属上司との面談の時間となったのでした。

 

(次回に続く)