クソ真面目で完璧主義な僕にとって、ピッタリの本に出会いました。
前回の続きです。
3⃣ 「いい人」の弊害
前回は、「日本人の真面目さの弊害」についてお話しましたが、それと並んで日本に多いのが「いい人の弊害」だと思うのです。
和田氏も同じことを言っていました。
日本人は「いい人」が多く、また「お人好し」も多い国です。
和田氏は、例として、医者にお礼を渡す人のことを言っていました。
手術前に執刀医に金銭を渡すのが慣習だと信じて渡す人がいますが、そんなことをすると、舐められるだけだと和田氏は言っています。
そんなお人好しなことをしていると、「この人はたとえ失敗したとしても、文句を言っては来ないだろう」と舐められるだけだと言っています。
医者に嫌われたら、手術の手を抜かれてしまって困るからと怖がっている人が多いと言いますが、それは違うとのことで、僕もそれは同感です。
逆に、「治療の内容について、根掘り葉掘りしつこく聞いてくる人」「薬の副作用についてしつこく尋ねてくる人」は、医者からすれば「面倒くさい」人と思われるかもしれませんが、その代わり、「この人は失敗でもしたら、訴えてくるかもしれない」と考えて、真剣にならざるを得なくなるしょう。
この「面倒くさい人」と思われることが、僕は何事においても重要だと考えています。
これは特に仕事においても重要です。
相手の言うことをよく聞いて、なんでもそのまま受け入れる人は、相手から見れば「都合のいい人」です。
悪く言えば舐められるだけであり、おとなしく相手の言うことだけを聞いていることが、良い結果に結びつくとは限らない、僕はこれまでの人生で本当にそのように痛感しました。和田氏も同じことを言っています。
相手に媚びへつらって舐められるお人好しの「いい人」についてお話しましたが、「いいこと」を他人に強制するような「いい人」も困りものです。
「自分はルールを守るいい人」だと思い込み、ゆるくなれない「いい人」は、「相手に気を遣う」「いろいろなことを我慢する」ことがいいことだと思い込んで、自分自身を縛って自らを生きづらくしています。
自分だけが苦しむのならまだいいのですが、これらの人たちは決して自分のルールを曲げない頑固な人たちが多く、他人にも自分の考える正義を強制し、世の中全体を生きづらく息苦しい世の中にしています。
コロナ禍で蔓延していた「マスク警察」などもその典型です。
和田氏は、電車やバスのシルバーシートを例に挙げていましたが、僕もシルバーシートに関しては腹が立つことを多く経験しました。
「自分は65歳になっていないのだから、シルバーシートに座ってはいけない」と頑なに思い込み、どんなに空いていても座らない人がいます。
でも、体調が悪かったり、疲れていれば座ってもいいのですし、座った方が周りの邪魔にならないこともあります。
ある日、比較的空いている電車でシルバーシートが空いていたので、疲れていたから座ったことがありました。
すると、近くにいた身なりのきちんとした紳士然りとしたサラリーマンからギロッと睨まれることがありました。
そういうことは今まで何度か経験しています。
和田氏も言っていますが、「自分はルールをきちんと守るいい人だ」と思いこんで、独りよがりに悦に入っている人は、世の中に重苦しい空気を蔓延させている「偽善者」であると、いつか自分で気がつくことになるでしょう。
次回のブログに続きます。