昨年(2019年)9月に、発売したばかりの竹内まりやの「ターンテーブル」というベスト盤の3CDボックスを購入し、何回も聴き、充実したブックレットも読んだので、一つブログ記事を書こうと思っていたのですが、なぜかそのまま放置してしまい、気がついたら、竹内まりやの誕生日の3月20日になってしまいました。
改めて聴き直し、ブックレットも再読したので、僕なりの感想を述べたいと思います。
発売からすでに半年以上経っており、お聴きになっている方も多いと思うので、詳細は割愛したいと思います。
このアルバムは3枚組で、1枚目のCDは「More Expressions」と銘打たれ、2008年10月に発売された、ほぼ竹内まりやの代表曲がリリース順に網羅された「Expressions」というベスト盤から、惜しくも漏れてしまった曲、それ以降にリリースした代表曲を集めています。
個人的には、Superflyがカバーし、ピーター・アレンが作曲したダンサブルなナンバーで、度肝を抜く豪華な演奏メンバーが演奏する「Sweetest Music」、大ヒットして一躍スーパースターとなったのはいいけれど、徐々に疲弊してきた頃の竹内まりやの心情を歌った「Natalie」(英語で歌っているのが、当時誰にも言えず、独り悩んでいたことを連想させます)がお薦めです。
特に、「Sweetest Music」は、あのデヴィッド・フォスターがリズム・アレンジとキーボードで参加し、TOTOのジェフ・ポーカロ、スティーヴ・ルカサーも参加している豪華さで、竹内まりやがいかに高く評価されていたかがわかります。
2枚目のCDは、「Mariya's Rarities」と銘打たれ、主に他のアーティストに提供した楽曲や、他のアーティストの楽曲をセルフカバーしている曲を集めています。
岡田有希子・広末涼子・松田聖子に提供したよく知られたヒット曲をはじめ、子供時代に影響を受けた「悲しきハート」・「悲しきあしおと」などと言った渋い楽曲も入っています。
珍しいところでは、1981年当時NHK「みんなのうた」に採用され、「花のRCAシスターズ」と呼ばれていた大貫妙子とEPOとコーラスしている「アップル・パップル・プリンセス」など面白いと思いました。竹内まりやらしくない80年代ぽいテクノソングです。
3枚目のCDは、「Premium Covers」と銘打たれ、自身が最も影響を受けた、洋楽のカバー曲集となっています。実は僕はこの3枚目が一番好きです。
杉真理&BOXと演奏したビートルズナンバーが12曲も入っているのですが、オリジナルと比べても全く遜色ない、本当に「完コピ」と言えるような、素晴らしくクオリティの高い演奏だと思いました。「No Reply」や「If I Fell」、「You're Mother Should Know」などどれも素晴らしいのですが、特に「Drive My Car」が秀逸で、本当にビートルズなのではないかと聴き間違えてしまいました。
他にもボサノヴァで有名な「Fly Me To The Moon」、マドンナもカバーしたジュリー・ロンドンの「Cry Me A River」など素晴らしい曲ばかりです。
最後の山下達郎との貴重なデュエット曲「For Your Love」もぜひお聴きになってください。
ブックレットは3冊入っており、うち2冊は、全ての楽曲の歌詞と、作詞作曲編曲のクレジット、演奏メンバーのクレジットが表記され、全ての曲に、竹内まりやがコメントを付けています。
このコメントを読みながら、曲の背景を理解して、聴いてみると、また格別の味わいです。
最後の「まりやちゃんSpecial book」はなかなか貴重です。
「テルマエ・ロマエ」で有名なヤマザキマリのイラストがとても可愛いです。
前半は、竹内まりやのバイオグラフィーが年代順に記されています。
その後は、アルバムのディスコグラフィがジャケット写真と、収録曲が全部記載されていて、竹内まりやの作品が全てわかります。
嬉しいのは、シングルのディスコグラフィも写真とリリース年月日付きで載っていたことです。ほとんど廃盤なだけに、とても貴重だと思います。
竹内まりやの40年の活動は、このアルバムと、2008年に発売された「Expressions」を聴けば、かなり堪能できると思います。
興味があれば、竹内まりやの全アルバム、夫の山下達郎のアルバムも聴いてみると、また新たな発見があると思います。
ご興味のある方は、下記からどうぞ。