先日ご紹介した坂本龍一トリビュート展を観た後、小説家で音楽家・料理もプロ並みに腕がある辻仁成氏の絵画展「Les invisibles 見えないものたち」を観るために、新宿伊勢丹まで行ってきました。
一切撮影禁止(当たり前か)なので、ここではご紹介できませんが、僕個人としてはとても素晴らしいと思い、感銘を受けました。
僕は特別絵画に詳しいわけではなく、完全など素人なのですが、作風に関してはピカソのような「抽象画」(間違えていたらすみません・・)という感じでしょうか。
僕個人としては好みなのですが、おそらくこういった作風は人それぞれの好みが分かれると思います。
ただ、その難解な印象の抽象的な絵画の中に、辻仁成氏なりの現代の混沌とした不安定な世界に対する想いがひしひしと感じられ、写実的ではないからこそ、感じるものがありました。
辻仁成氏は現在フランスに在住する、元々小説家で音楽家で、最近ではテレビで料理の腕も披露するなど、とてもマルチな才能を発揮していますが、絵画は全くの素人だったそうです。
ただ、あくまでも自分のプライベートな趣味として絵画を描き続けていて、以前から親しかった有名な画家である千住博氏に見せたところ、「ぜひ個展を開いた方がいい」と強く勧められ、今回新宿伊勢丹での初めての個展を開くこととなったのだそうです。
本人は素人である自分絵画の個展を開くことについて、いろいろと心配なことがあったようで、愛着のあった自分の作品が売れて他人の手に渡ってしまうことについての寂しさ、反対に個展を開いたもののほとんど客が入らず、全く売れなかったらどうしよう、などといろいろと考えあぐねていたそうです。
でも、僕が観に行った2月29日の夕方の時点で、ほぼ8割くらいの絵画は売約済となっていたと思います。
本日の時点で全て完売したと聞きました。
僕も妻もかなり気に入った絵画がいくつかあったのですが、比較的小型の絵画でも44万円(税込)でしたので、なかなか手が出せず、泣く泣くあきらめざるを得ず、代わりに画集(11,000円(税込))を購入して我慢することにしました。
好みは分かれるとは思いますが、一度この機会にあの辻仁成氏の絵画(しかも原画)はぜひ見ておいて損は無いかと思います。
3月5日(火)まで新宿伊勢丹本館6階アートギャラリーで開催されていますので、ご興味のある方はぜひ観に行ってみてください。